
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
カツオやマグロの赤身を刺身にし、醤油ベースのタレに漬け込んで飯切りに入れた酢飯の上に並べ、しそや海苔をちらした混ぜずしである。主に熊野灘沿岸で食されてきたが、三重県は日本有数のカツオ漁獲地(全国第4位)であり、一本釣り・曳き縄釣りが盛んな漁場とマグロ養殖地が隣接する恵まれた環境にある。もともとは漁師の忙しい作業合間の手軽な食事だったが、現在は人が集まる宴会やおもてなしの場で木桶を使って作られる。共働き家庭にも作りやすく人気があり、近年はタイなど白身魚を使うアレンジも生まれている。
由来・歴史
漁師が船上で獲れた魚をその場でさばき、手で混ぜあわせて食べたことから「てこねずし」と呼ばれるようになった。海沿いの漁師の間で生まれた食文化は、農山漁村の郷土料理百選に選ばれるなど認知され、三重県を代表する郷土料理へと発展した。
食べ方
刺身にしたカツオやマグロをタレに漬け、飯切りに入れた酢飯の上に並べて薬味をちらす。もともとは漁師の忙しい作業の合間に手軽に食べられてきたが、現在は人が集まる宴会やおもてなしの機会に木桶を使って作られる。最近はタイなど白身魚を使うバリエーションもある。
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産地
寿司の名物

わかめずし
輪切りにするとわかめが美しい縞模様になる「わかめずし」は、大量に獲れるわかめを焼いてごはんにのせた漁師飯が起源。地元の人が漬物を入れて巻き始めたことで現在の形になった。

わさびずし
わさびの葉で包む押しずしは、貴重な葉を冷凍保存してまで現代に受け継がれる有田地方の知恵。田植えやお盆など季節の節目に欠かせない味である。

太刀魚料理/太刀魚寿司
地元では愛称「たっちょ」と呼ばれる太刀魚。有田市の箕島漁港は1992年から15年連続で漁獲量日本一を記録し、橋のたもとには記念モニュメントが建つほどの名産地である。

塩引きずし
紅白の彩りが祝いを彩る米沢発祥の押しずし。内陸の盆地で鮮魚が手に入らない時代、塩引きザケを使って誕生したハレの日の名物料理である。

笹寿司
戦国時代に上杉謙信の兵士が器代わりに使ったという伝承を持つ、笹の葉に酢飯と具を盛り付けた上越地方の名物。2014年には「糸魚川 七夕は笹ずしの日」として記念日登録された。

笹ずし
上杉謙信が戦の保存食として携行した「謙信寿司」。笹の葉の殺菌・防腐効果を活かし、山菜をのせた手づかみの寿司で、長野県飯山市の無形民俗文化財に指定されている。
三重県の名物

豆腐でんがく
高足の舞を舞う田楽法師の姿に似せて名付けられた、伊賀の伝統的な豆腐料理。炭火で焼いた木綿豆腐に甘辛い田楽味噌を塗り、炙り焼きで仕上げる。

野菜の漬物
本居宣長が「香の物」として愛した「松阪赤菜」や、300年前に蒲生氏郷が近江から伝えたとされる歴史を持つ。三重県内には日野菜漬け、伊勢たくあん、白瓜の鉄砲漬けなど、各地域の風土が生んだ多種多様な野菜の漬物が存在する。

雑煮
伊吹山系と鈴鹿山系が東西文化をブロックし、丸餅・角餅・押し餅が混淆する全国でも特殊な雑煮文化圏。湯炊き・水炊き・焼き餅、澄まし汁・味噌汁と調理法も多彩である。

たこ飯
鳥羽市の畦蛸(あだこ)では「多幸めし」とも呼ばれ、縁起の良い名前で親しまれる。伊勢湾の荒波にもまれたプリプリの真ダコを、米とシンプルに炊き込んだ漁師の味である。

さんまずし
「気骨のある子に育ってほしい」と願いを込めた骨付きの姿ずし。三重県熊野市の産田神社に「さんま寿し発祥の地」の碑が立ち、祝いの席で親しまれてきた東紀州の名物である。

さめなます
「鮫」に「交わる」の字が入る縁起物。三重県志摩の祝い膳では、さばきたてのネコザメを湯通しして発酵味噌だれで味わう「さめなます」が欠かせない一品となる。