
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
酢でしめた塩サバを酢飯の上に載せ、わさびの葉で包んで押し固めた押しずしである。和歌山県有田地方の清水地域はわさびの自生が盛んで、バショウの葉を使った「早ずし」と並んで各家庭で作られてきた。田植えやお盆、秋祭り、お彼岸といった農作業の節目や先祖供養の場面で食され、地域の共同体を結ぶ食文化として機能した。現在はわさびの葉が希少化し、入手できた際に冷凍保存して活用する家庭もある。
由来・歴史
有田地方では古くから田植えやお盆、秋祭りなど季節の行事に欠かせないすしとして「なれずし」や「早ずし」が作られてきた。清水地域ではバショウの葉を巻いた「早ずし」が主流だったが、わさびの自生が豊かだったことから、わさびの葉を使った「押しずし」も各家庭で発展した。
食べ方
酢でしめたサバなどを酢飯の上に載せ、わさびの葉で包んで食べる。田植えやお盆、秋祭り、お彼岸などの季節の行事の際に作られ、現在は貴重なわさびの葉を冷凍保存して活用する工夫も見られる。
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産地
寿司の名物

てこねずし
漁師が船上で魚を手で混ぜあわせたことから「てこねずし」の名が生まれた。熊野灘の新鮮なカツオやマグロを酢飯と合わせる、三重県を代表する郷土料理である。

塩引きずし
紅白の彩りが祝いを彩る米沢発祥の押しずし。内陸の盆地で鮮魚が手に入らない時代、塩引きザケを使って誕生したハレの日の名物料理である。

笹寿司
戦国時代に上杉謙信の兵士が器代わりに使ったという伝承を持つ、笹の葉に酢飯と具を盛り付けた上越地方の名物。2014年には「糸魚川 七夕は笹ずしの日」として記念日登録された。

笹ずし
上杉謙信が戦の保存食として携行した「謙信寿司」。笹の葉の殺菌・防腐効果を活かし、山菜をのせた手づかみの寿司で、長野県飯山市の無形民俗文化財に指定されている。
和歌山県の名物

わかめずし
輪切りにするとわかめが美しい縞模様になる「わかめずし」は、大量に獲れるわかめを焼いてごはんにのせた漁師飯が起源。地元の人が漬物を入れて巻き始めたことで現在の形になった。

うずみ
ごはんを具材の下に「埋める」法事料理。京都の茶懐石に由来する贅沢な味わいと、平家落人が白米を隠して食べたという二つの起源伝承が残る、東牟婁郡平井集落独自の郷土料理である。

うつぼ料理/うつぼの佃煮
「海のギャング」と呼ばれる猛魚・ウツボを、和歌山県南部で独自の食文化に昇華。秋冬の漁獲期に干し揚げた佃煮は、県南部の風物詩として親しまれる名産品である。

梅干し
「一目百万、香り十里」と詠まれる紀州の梅林は、江戸時代に年貢免除のやせ地で始まった農民救済の産物。現在も多くの家庭で「我が家流」の漬け方が受け継がれる。

太刀魚料理/太刀魚寿司
地元では愛称「たっちょ」と呼ばれる太刀魚。有田市の箕島漁港は1992年から15年連続で漁獲量日本一を記録し、橋のたもとには記念モニュメントが建つほどの名産地である。

しょうが飯
紀の川沿いの砂地で大正初期から栽培される新しょうがを丸ごと炊き込んだ夏の滋味。収穫当日に出荷される瑞々しい白い生姜が、ごはんに爽やかな香りと歯ごたえを与える。