
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
新しょうがを米と一緒に炊き上げた炊き込みご飯で、辛味が少なく水分を含んだ新しょうがの瑞々しい歯ごたえと爽やかな香りが特徴である。和歌山市の河西・布引など紀の川沿いの柔らかい砂地地帯で、大正初期から温暖な気候を生かした栽培が続く全国有数の産地で作られる。新しょうがの旬である5月から10月、特に食欲の落ちる夏場にさっぱりと食べられ、血行促進による風邪予防や冷え性対策としても重宝される。家庭ごとにごまや薬味のねぎを加えて食べるほか、天ぷらや佃煮、ジンジャーエールなど多様なアレンジが楽しまれ、京阪神をはじめ東京・名古屋の高級料亭や寿司店でも評価される新しょうがの魅力を気軽に味わえる郷土料理である。
由来・歴史
和歌山市の河西・布引など紀の川沿いの砂地地帯では、温暖な気候を生かし大正初期からしょうがの栽培が行われてきた。昭和22年頃から本格的な露地栽培が始まり、昭和40年代のハウス栽培普及で栽培面積が増加。冬植え夏収穫の新しょうがは、収穫後すぐに水洗いすることで白い肌を保ち、繊維が柔らかくガリとしても高級市場で高い評価を得ている。この新しょうがを米と炊く「しょうが飯」は、産地ならではの滋味深い食文化として定着した。
食べ方
新しょうがを米と一緒に炊き上げ、炊きあがったばかりのごはんと蒸らして混ぜて食べる。ごまや薬味のねぎを加えて食べるのが一般的である。新しょうがの旬である5月から10月に収穫されたものを使い、食欲のない夏場にさっぱりと味わうほか、血行をよくする働きから風邪予防や冷え性対策としても食される。天ぷらや佃煮、ジンジャーエールへの加工も可能で、新しょうがの独特の香りを多様な形で楽しめる。
オンラインで買う
ふるさと納税で取り寄せる
産地
ご飯ものの名物

高津のとり飯
「米1升に飯茶わん1杯の醤油」という分量で代々伝えられる、安産祈願の子安講や豊作願いの八朔に欠かせない千葉の味。肉を小さく切るのは、貴重な食材を皆で分かち合うための知恵である。

たけのこご飯
雨上がりに食べきれないほど獲れるたけのこを、田植えの時や行楽に炊きこんだ宮城の春の味。姫皮から根元まで部位を使い分ける知恵が詰まった日常のご飯である。

たこ飯
漁船上で獲れたタコをそのままぶつ切りにして炊き込んだのが始まりという、漁師の知恵が詰まった愛媛の郷土料理。春の「木の芽だこ」や梅雨時のタコが特に珍重される。

赤飯
甘納豆を混ぜるだけの手軽な赤飯は、働く母親の思いから誕生した北海道独自の食文化である。昭和20年代、札幌の南部明子先生が考案し、講演を通じて一気に道内に広まった。

さざえ飯
隠岐の島で人が集まる席に欠かせない「さざえ飯」。サザエのゆで汁で炊き込むシンプルな釜飯は、岩のりで巻いたのり巻きとしてお正月や祭りに振る舞われる。

鮭の飯ずし
紅白の縁起物として正月に欠かせない津軽の保存食。もち米の発酵力で塩サケを熟成させ、笹の葉の香りと乳酸の酸味が織りなす芳醇な味わいが特徴。
和歌山県の名物

太刀魚料理/太刀魚寿司
地元では愛称「たっちょ」と呼ばれる太刀魚。有田市の箕島漁港は1992年から15年連続で漁獲量日本一を記録し、橋のたもとには記念モニュメントが建つほどの名産地である。

梅干し
「一目百万、香り十里」と詠まれる紀州の梅林は、江戸時代に年貢免除のやせ地で始まった農民救済の産物。現在も多くの家庭で「我が家流」の漬け方が受け継がれる。

うつぼ料理/うつぼの佃煮
「海のギャング」と呼ばれる猛魚・ウツボを、和歌山県南部で独自の食文化に昇華。秋冬の漁獲期に干し揚げた佃煮は、県南部の風物詩として親しまれる名産品である。

しらす丼
「バッチ網」という男性の下着に似た細かい網で漁獲された新鮮なシラスを、天日干しした釜揚げシラスとしてごはんに載せた紀伊水道の港町ならではの味。湯浅醤油や金山寺味噌を添えて食べるのが地元流である。

さんまずし
硬く握った姿から「さえらの鉄砲」とも呼ばれる、熊野灘の寒サンマを使った押し寿司。佐藤春夫も「ふるさとで二番目に美味しい」と絶賛した、山間部の貴重な栄養源だったごちそうである。

尾の身の刺身
熊野の古式捕鯨で大切にされてきたクジラの希少部位「尾の身」。尾びれ付け根のわずかな霜降り肉を刺身で味わう、和歌山・太地の極上鯨料理である。