
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
鶏肉を小指先ほどに切り醤油で煮、炊きたてのご飯と混ぜるシンプルな混ぜご飯である。味付けは醤油のみで、煮汁のうまみが米に染み込む。千葉県八千代市高津地区で古くから作られ、稲作を営む農村の食文化を今に伝える。子安講や八朔といった伝統的な行事のほか、日常食としても通年親しまれており、子供から大人まで幅広く愛されている。家庭によって鶏肉の切り方や醤油の濃さに違いがあり、現代では忙しい働き世代にも手軽に作れる料理として再評価されている。
由来・歴史
高津地区で古くより食されてきた郷土料理で、安産祈願の子安講や旧暦8月1日の豊作祈願行事・八朔に必ず供された。「米1升に飯茶わん1杯の醤油」という分量は代々口伝で守られてきた。肉を小さく切る理由については、貴重な肉を皆に平等に分けるための知恵であるとする説や、産卵鶏の硬い肉を食べやすくするためであるとする説などが伝わる。
食べ方
鶏肉を小指の先ほどの大きさに切り、醤油とともに鍋で煮汁が少し残る程度にしっかり煮る。炊きたてのご飯にそのまま混ぜて食べる。子安講や八朔などの伝統行事のほか、日常の食卓でも通年食されており、手間がかからないことから現代の家庭でも重宝されている。
オンラインで買う
ふるさと納税で取り寄せる
産地
ご飯ものの名物

たけのこご飯
雨上がりに食べきれないほど獲れるたけのこを、田植えの時や行楽に炊きこんだ宮城の春の味。姫皮から根元まで部位を使い分ける知恵が詰まった日常のご飯である。

たこ飯
漁船上で獲れたタコをそのままぶつ切りにして炊き込んだのが始まりという、漁師の知恵が詰まった愛媛の郷土料理。春の「木の芽だこ」や梅雨時のタコが特に珍重される。

たこ飯
「干しダコ」をもどして炊き込む熊本県天草の郷土料理。潮風に揺れる吊るし干しの風景が夏の風物詩となっている。弾力のあるマダコの旨味が凝縮された保存食の知恵が、現代も受け継がれる。

しょうが飯
紀の川沿いの砂地で大正初期から栽培される新しょうがを丸ごと炊き込んだ夏の滋味。収穫当日に出荷される瑞々しい白い生姜が、ごはんに爽やかな香りと歯ごたえを与える。

赤飯
甘納豆を混ぜるだけの手軽な赤飯は、働く母親の思いから誕生した北海道独自の食文化である。昭和20年代、札幌の南部明子先生が考案し、講演を通じて一気に道内に広まった。

さざえ飯
隠岐の島で人が集まる席に欠かせない「さざえ飯」。サザエのゆで汁で炊き込むシンプルな釜飯は、岩のりで巻いたのり巻きとしてお正月や祭りに振る舞われる。
千葉県の名物

てんもんどう
千葉県の農家が砂糖で野菜を煮詰めた保存食「てんもんどう」。漢方薬のクサスギカズラに由来する名前は、蜜漬けの滋養効果にちなむ。ごぼうやれんこんなど多様な野菜が使われ、防腐剤なしで10ヵ月保存できる。

鉄砲巻き
見た目が鉄砲に似ることから名付けられた富津市の太巻き寿司。カツオ節を醤油で味付けした具をごはんで巻き、漁師の携帯食として親しまれてきた。

鶏雑炊
骨まで叩いて鶏団子に混ぜ込む「とっどせ」とも呼ばれる知恵の一品。千葉県の農家でニワトリを飼う暮らしから生まれた、正月や祭りの人寄せを彩る郷土料理である。

すみつかれ
「下野国の家例」から「しもつかれ」、あるいは「酢み漬け」から「すみつかれ」と呼ばれる由来を持つ、鎌倉時代の説話にも登場する歴史ある料理。鬼おろし器でおろした大根と人参を酒かすと共にじっくり煮込む、千葉県東葛飾地域の味である。

塩漬けタケノコの天ぷら
首都圏一の生産量を誇る千葉県の「白たけのこ」を塩漬け保存し、通年楽しむ知恵が詰まった天ぷら。アク抜き不要の良質な筍が、シンプルな調理で際立つ。

性学もち
江戸時代の農民指導者・大原幽学が考案した「うるち米の餅」。もち米が高価だった農民に餅の味を届けるため、二度蒸して搗く独自の製法を生み出した。