
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
塩漬けしたたけのこの塩を洗い、醤油・砂糖・酒で煮付けた後に衣をつけて揚げる天ぷらである。えぐ味や苦みが少なくアク抜き不要な「白たけのこ」を使用し、サクッとした食感と筍本来の甘みが特徴となる。主な産地は千葉県の夷隅郡大多喜町、長柄町、千葉市、君津市、勝浦市で、大多喜町は県内一の生産量を誇り、森林率70%の豊かな自然と酸性白土の土壌が良質な筍を育む。本来は春の旬の味だが、塩漬け保存により通年食べられてきた。現代では「ちばエコ農産物」認証制度のもと、農薬不使用・化学肥料半分以下の環境配慮型栽培が推進され、伝統の味が持続可能な形で受け継がれている。
由来・歴史
千葉県は首都圏一のたけのこ生産地であり、特に夷隅郡大多喜町は県内最大の産地である。大多喜町の森林地帯は江戸時代初期から中期にモウソウチクが植えられ、小石や岩石の破片を含む粘土質の酸性白土が「白たけのこ」の生育に適した環境を形成した。この「白たけのこ」は色が白くえぐ味が少ない特徴を持ち、塩漬けによる保存と天ぷらという調理法が生まれた。
食べ方
塩抜きしたたけのこを7mm厚に切り、水にさらした後、醤油・砂糖・酒で煮て味を付ける。小麦粉と卵の衣をつけ、揚げ油でからっと揚げる。春の旬の新鮮な筍を塩漬けにして保存することで、通年を通してこの味を楽しむことができる。
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産地
漬物の名物

すぐき漬け
京都三大漬物の一つに数えられる「すぐき漬け」は、かつて上賀茂神社の社家のみが作る御所献上の高級品だった。独特の酸味と乳酸発酵による風味が、冬の食卓を彩る。

すんき漬け
塩を一切使わない無塩の漬物で、貴重な塩を節約する生活知恵から生まれた木曽地域の発酵食品。独特の酸味が特徴で、最近ではヨーグルトに匹敵する乳酸菌含有量が注目されている。

スルメの麹漬け
鳥取の山間部で生まれた「おふくろの味」——スルメイカを海風で干し、麹に漬け込むことで冬の保存食として長く親しまれてきた。
ふるさと納税しば漬け
高倉帝の皇后・建礼門院が「紫葉漬け」と名付けたと伝わる、京都を代表する赤しそ漬け。大原の名刹・三千院発祥の「京都三大漬物」である。
ふるさと納税瀬高の高菜漬け
1メートルを超える背丈が名前の由来。明治に中国由来の青菜と在来種を掛け合わせ誕生した「三池高菜」は、筑後の豊かな水と土が育む栄養豊富な保存食である。
ふるさと納税千切り大根(切り干し大根)のまだか漬け
「まだかぁ~」と待ちきれず声が上がるほどの美味しさが名前の由来。宮崎県産の千切り大根を使った、体に良い具材が詰まった健康的な漬物である。
千葉県の名物

すみつかれ
「下野国の家例」から「しもつかれ」、あるいは「酢み漬け」から「すみつかれ」と呼ばれる由来を持つ、鎌倉時代の説話にも登場する歴史ある料理。鬼おろし器でおろした大根と人参を酒かすと共にじっくり煮込む、千葉県東葛飾地域の味である。

高津のとり飯
「米1升に飯茶わん1杯の醤油」という分量で代々伝えられる、安産祈願の子安講や豊作願いの八朔に欠かせない千葉の味。肉を小さく切るのは、貴重な食材を皆で分かち合うための知恵である。

てんもんどう
千葉県の農家が砂糖で野菜を煮詰めた保存食「てんもんどう」。漢方薬のクサスギカズラに由来する名前は、蜜漬けの滋養効果にちなむ。ごぼうやれんこんなど多様な野菜が使われ、防腐剤なしで10ヵ月保存できる。

性学もち
江戸時代の農民指導者・大原幽学が考案した「うるち米の餅」。もち米が高価だった農民に餅の味を届けるため、二度蒸して搗く独自の製法を生み出した。

せぐろいわしのごま漬け
「背黒」と呼ばれるカタクチイワシを、炒りごまと唐辛子で漬け込んだ千葉・九十九里浜の保存食。大量に水揚げされる旬のイワシを、日持ちさせる知恵が生んだごまの香り豊かな郷土料理である。

さんが焼き
「山の家で食べた料理」が名前の由来。漁師が山仕事に持参したアワビの殻入りなめろうが、千葉の郷土料理として親しまれている。