
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
梅干しは、青梅を塩漬けにし天日で干して熟成させた保存食である。紀州の温暖で日当たりの良い低山に囲まれた気候風土が、大粒で肉厚な実を育む。主に和歌山県南部地域で生産され、江戸時代から「田辺梅」として知られる。毎年1月末から2月末の梅の花の季節には観梅の名所となり、家庭では夏の土用干しを経て梅酢に漬け、今年分を食卓に、残りは蔵に備蓄する習慣があった。現代でも「我が家流」の漬け方が受け継がれ、非常食としての備蓄文化も残る。
由来・歴史
江戸時代、紀州藩田辺領の城代家老・安藤直次が、稲作のできない免租地の農民の年貢負担を軽減するため、自生していた「やぶ梅」の栽培を推奨した。これが本格的な梅栽培の始まりとされる。高品質な梅干しは江戸で「田辺梅」として称賛され、明治以降は軍用食やコレラ・赤痢流行時の需要で生産が拡大。昭和40年(1965年)には「南高梅」が品種登録された。
食べ方
そのまま食べるほか、白米に添える。青魚を煮付ける際に1〜2粒入れると臭みが抜ける。毎年土用干しした梅を今年食べる分だけ梅酢に漬け、残りは蔵に保存して災難時の非常食とする習慣があった。現在も多くの家庭で独自の漬け方が受け継がれている。
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産地
和歌山県の名物

うつぼ料理/うつぼの佃煮
「海のギャング」と呼ばれる猛魚・ウツボを、和歌山県南部で独自の食文化に昇華。秋冬の漁獲期に干し揚げた佃煮は、県南部の風物詩として親しまれる名産品である。

うずみ
ごはんを具材の下に「埋める」法事料理。京都の茶懐石に由来する贅沢な味わいと、平家落人が白米を隠して食べたという二つの起源伝承が残る、東牟婁郡平井集落独自の郷土料理である。

わかめずし
輪切りにするとわかめが美しい縞模様になる「わかめずし」は、大量に獲れるわかめを焼いてごはんにのせた漁師飯が起源。地元の人が漬物を入れて巻き始めたことで現在の形になった。

太刀魚料理/太刀魚寿司
地元では愛称「たっちょ」と呼ばれる太刀魚。有田市の箕島漁港は1992年から15年連続で漁獲量日本一を記録し、橋のたもとには記念モニュメントが建つほどの名産地である。

しょうが飯
紀の川沿いの砂地で大正初期から栽培される新しょうがを丸ごと炊き込んだ夏の滋味。収穫当日に出荷される瑞々しい白い生姜が、ごはんに爽やかな香りと歯ごたえを与える。

しらす丼
「バッチ網」という男性の下着に似た細かい網で漁獲された新鮮なシラスを、天日干しした釜揚げシラスとしてごはんに載せた紀伊水道の港町ならではの味。湯浅醤油や金山寺味噌を添えて食べるのが地元流である。