
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
笹ずしは、笹の葉の上に酢飯を敷き、ぜんまい・たけのこ・しいたけ・くるみなどの山の幸をのせ、錦糸卵や紅生姜で彩った郷土料理である。長野県飯山市と新潟県上越地域に伝わり、信州と越後の国境にある富倉峠が軍用路だった川中島の合戦の時代から続く歴史を持つ。祝い事や祭りなどのハレの日に各家庭で作られ、来客をもてなす風習があった。酢飯にもち米を混ぜたり、ひじきや味噌漬けを具材に加えたりと、地域や家庭によって工夫が異なり、平成19年には長野県選択無形民俗文化財に指定され、現代も飯山市の食文化を象徴する存在となっている。
由来・歴史
天文22年(1553年)からの川中島の合戦で、信越国境の富倉峠が軍用路となった際、上杉謙信の軍勢にふるまわれたのが始まりとされる。笹の葉は殺菌・防腐効果があり、謙信が戦時の保存食として携行したという伝承から、飯山市では「謙信寿司」とも呼ばれる。富倉地域の村人が器の代わりに笹を使用し、ごはんに山菜をのせて出したという説もある。
食べ方
箸を使わず、笹ずしを手に持ち、スライドさせながら笹を下に引いて、笹から離れたところを直接食べるのが本来の食べ方である。時期を問わず季節の食材を使って年間を通して食べられ、飯山市では祝い事や祭りなどの行事の際に作られてもてなされる。
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産地
寿司の名物

笹寿司
戦国時代に上杉謙信の兵士が器代わりに使ったという伝承を持つ、笹の葉に酢飯と具を盛り付けた上越地方の名物。2014年には「糸魚川 七夕は笹ずしの日」として記念日登録された。

塩引きずし
紅白の彩りが祝いを彩る米沢発祥の押しずし。内陸の盆地で鮮魚が手に入らない時代、塩引きザケを使って誕生したハレの日の名物料理である。

太刀魚料理/太刀魚寿司
地元では愛称「たっちょ」と呼ばれる太刀魚。有田市の箕島漁港は1992年から15年連続で漁獲量日本一を記録し、橋のたもとには記念モニュメントが建つほどの名産地である。

さんまずし
硬く握った姿から「さえらの鉄砲」とも呼ばれる、熊野灘の寒サンマを使った押し寿司。佐藤春夫も「ふるさとで二番目に美味しい」と絶賛した、山間部の貴重な栄養源だったごちそうである。

さんまずし
「気骨のある子に育ってほしい」と願いを込めた骨付きの姿ずし。三重県熊野市の産田神社に「さんま寿し発祥の地」の碑が立ち、祝いの席で親しまれてきた東紀州の名物である。

さんま寿司
十津川村で南北で異なる製法が伝わる「さんま寿司」。北部は長期発酵のなれずし、南部は酢で締めた押し寿司と、同じ名で対照的な味わいが楽しめる。
長野県の名物

凍み大根のお田植えの煮物
「凍み」の技が生む濃厚な旨み。冬の寒風に何度も凍らせて乾燥させた大根を、田植えの日に煮て食べる信州の知恵。

しょうゆ豆/しょうゆの実
種麹で発酵させた大豆を生醤油に漬け込み、1ヵ月以上熟成させる「食べる醤油」。北信地域では正月に食べられ、醤油の旨味が凝縮した豆はご飯のお供に最適である。

塩いかの酢の物
海のない長野県で、塩の道を通じて運ばれた塩丸イカを酢で和えた郷土料理。夏場の熱中症対策としても重宝された保存食の知恵が息づく。

鮭の粕煮
長野県東信・上伊那地域の正月の歳取り料理。大晦日に大鍋で煮込み、翌日は餅入りの雑煮に変身する、塩サケと酒粕のシンプルながら奥深い味わい。

おやき
信州を代表する「おやき」は、縄文時代から続く小麦文化の結晶。囲炉裏の灰で蒸し焼きにした「灰焼きおやき」が元祖で、今では焼く・蒸す・蒸して焼くなど調理法も千差万別。

おしぼりうどん
「あまもっくら」と呼ばれる奥深い味わいが特徴。辛味大根の絞り汁に信州味噌を溶かしたつけ汁で、冬の坂城町で体の芯から温まる郷土の一杯である。