
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
「今治焼き鳥」は、串に刺さない鶏皮を厚い鉄板で焼き、小さな板状の鉄の重しでプレスしてつくる焼き鳥である。鉄板はやや斜めに取り付けられ、余分な脂を落とす工夫により、皮の旨味を残しながらあっさりとした味わいが特徴だ。主な伝承地域は愛媛県今治市を中心とした県内全域で、瀬戸内海に面した港湾都市として商売人が多く、せっかちで待ちきれない気質の人々に支持された。通年、居酒屋などの飲食店で提供され、店ごとに甘辛いタレの味が工夫されている。家庭では再現が難しく飲食店での食事が主流だが、皮を先に食べ、締めに「せんざんき」と呼ばれるから揚げを食べるという通の食べ方が今でも主流を保っている。
由来・歴史
約50年前に考案された今治独自の調理法である。串に刺さない皮を鉄板で軽く焼き、重しを乗せてプレスするスタイルは、鶏肉から出る脂で揚げられつつ蒸されるため火の通りが早く、素早く提供できる点が今治の人の気質と合い人気を博した。かつては100軒以上の鉄板焼き鳥店が存在した。
食べ方
飲食店で鉄板の上で皮を押し付けながら、外側が香ばしくカリッとなるまで焼いて提供される。皮を先に食べ、最後の締めに「せんざんき」と呼ばれるから揚げを食べるのが今治流の通の食べ方である。通年食すことができ、店によって甘辛いタレの味が異なるため、さまざまな味を堪能できる。
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産地
焼き物の名物

いわなの塩焼き
日本で初めてイワナを養殖した宮城県の郷土料理。清らかな水で育った養殖イワナは臭みがなく、皮まで柔らかい身をシンプルに塩焼きで味わう。

じり焼き
「じりい(ゆるい)」という方言が名前の由来とされる豊後大野市の粉食。薄く焼いた地粉の生地に黒砂糖やかぼちゃのあんを巻き、子どものおやつから農作業の差し入れまで幅広く親しまれてきた。

貝焼き味噌
津軽湾の漁師がホタテの大きな貝殻を鍋代わりにして考案した、海の香り漂う素朴な料理。太宰治も「津軽」で憧れを綴った、卵と味噌のとろりとした味わいが特徴である。

はもの焼き物
「はも祭り」とも呼ばれる祇園祭の行事食として振る舞われる。生命力が強く遠方からも生きたまま運べたことで、京都の食文化に根付いた淡白な白身魚の焼き物である。

あけびの味噌詰め焼き/あけびの油焼き
山形県ではあけびの皮を食べるという全国でも珍しい食文化がある。ほろ苦い皮に味噌を詰めて焼く「あけびの味噌詰め焼き」は、秋の味覚として内陸部の家庭に親しまれてきた郷土料理である。

あめごのひらら焼き
平らな石を「ひらら」と呼ぶことから名付けられた、祖谷の野外料理。かまどの上で石を数時間温め、その上であめごや山菜を味噌とともに焼く独特の調理法は、昔ながらの人々の知恵を今に伝える。
愛媛県の名物

いもたき
大洲市発祥の350年の歴史を持つ鍋料理。藩主・加藤家の時代に「お籠り」の行事で地元の里芋を持ち寄ったことが始まりで、今も秋の河川敷で月見を兼ねて楽しまれる愛媛の中秋の名物である。

いずみや
江戸時代、別子銅山の住友家に倣い庶民が考案した「おから寿司」。豪商の屋号「泉屋」に由来し、現在は愛媛県を代表する郷土料理として親しまれる。

じゃこ天
元和元年(1615年)に仙台から招いた蒲鉾職人が宇和島藩初代藩主のために作り出した、小魚を丸ごとすり潰したカルシウム満点の揚げ物。名前は「雑魚(ざこ)」からの転訛か、ほたるじゃこに由来するかで諸説ある。

いぎす豆腐
愛媛県今治市周辺の海岸で7・8月に採れる海藻「いぎす」を、生大豆粉と煮溶かして寒天のように固めた夏の名物。冷や奴のようなひんやりとした舌ざわりが、暑い季節の食欲をそそる。

法楽焼
室町時代の海賊が勝利の宴で味わった「海賊料理」がルーツ。焙烙鍋で旬の魚介を蒸し焼きにする、見た目豪華な今治の名物料理である。

緋の蕪漬/緋のかぶ漬
正岡子規も詠んだ愛媛の伝統漬物。鮮やかな緋色はアントシアニンと酢の化学反応によるもので、かぶの緋色が冴えればその年は良い年になるという縁起物として、松山のおせちに欠かせない。