
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
へぼ飯は、クロスズメバチ(地蜂)の幼虫を甘辛く煮付けた甘露煮と米、醤油で炊き上げる釜飯風の郷土料理である。味は甘辛く、香ばしい食感が特徴的である。主に岐阜県恵那市を中心とした周辺地域、および信州から奥三河にかけての山間部で伝承されており、海から遠いこの地域では貴重なタンパク源として重宝された。秋の巣が大きく育つ時期に獲って食べるが、6月に小さな巣を捕獲し飼育して大きくしてから食する方法もある。もとは大切なお客へのご馳走であり、家庭ごとに甘露煮の味付けや炊き方に秘伝があり、現代ではへぼ五平餅などへと発展しながら代々受け継がれている。
由来・歴史
へぼ(クロスズメバチ)の幼虫を食べる文化は、信州から奥三河にかけての山間地域で古くから盛んだった。1850年に三好想山が著した「想山著聞奇集」には、美濃国や信濃国で蜂の子を醤油で味付けてご飯に混ぜた「へぼ飯」が食されていたという記述があり、江戸時代からの食習慣であったことがうかがえる。高タンパク・高カロリーなへぼは、海から離れた地域の貴重なタンパク源として住民の健康促進に役立てられ、大切なお客へのもてなしとして振る舞われた。
食べ方
巣から取り出したへぼを砂糖・醤油・酒などで甘辛く煮付けた甘露煮が基本の食べ方である。この甘露煮と米・醤油で炊き上げるのがへぼ飯であり、たれに甘露煮をすり込んで焼く五平餅も代表的である。時季は秋が一般的だが、6月に小さな巣を捕獲し飼育して大きくしてから食することもある。地域や家庭によっては成虫も乾煎りして食する。
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産地
ご飯ものの名物

とろろご飯
正月二日の胃腸休養に欠かせない丹波篠山の知恵。粘り気の強い「山の芋」を使ったとろろご飯は、いりこやかつお節のだし汁で伸ばし、ご飯にかけて食べる。

豆腐飯
仏事の精進料理が生んだ岡山の名物。豆腐を裏ごししたなめらかな食感と、煮干しと昆布のあっさりとしたつゆが特徴で、法事の席で長く親しまれてきた。

魚飯
塩田で富を築いた「浜旦那」が好んだ豪華なちらし飯。骨から取っただしをかけて食べる独特のスタイルで、竹原の町人文化を今に伝える。
ふるさと納税染飯
「瀬戸の染飯」は戦国時代から東海道の茶屋で売られた携帯食で、十返舎一九『東海道中膝栗毛』にも登場する歴史ある名物。くちなしの実で黄色く染めたもち米を干して作り、旅人の足腰の疲れを取る薬効食として評判だった。

かて飯
貴重な米をかさ増しするため生まれた相模原の混ぜご飯。農作業の「糧(かて)」として名付けられ、祭りや彼岸にはごちそうとして親しまれた。

奈良茶飯
東海道の宿場・川崎で旅人を魅了した「ファーストフード」。十返舎一九の『東海道中膝栗毛』に登場し、大名も立ち寄る人気店となった万年屋の名物料理が、現代に復活した。
岐阜県の名物

みょうがぼち
「ぼち」とは小麦粉を練ったものを指す地域の言葉で、そら豆のあんを包みみょうがの葉で蒸した初夏の郷土菓子。冷蔵庫のない時代の携帯食として先人の知恵が息づく。

鮎なれずし
1300年続く長良川鵜飼の歴史とともに受け継がれる発酵食品。鵜匠の技が生む「御鮨街道」の名物料理である。

五平餅
神に捧げる「御幣」に形が似ることから名付けられた五平餅。木こりたちの携行食から発展し、中山道を境に醤油味と味噌味の文化圏が分かれる独特の食文化を持つ。

鮎ぞうすい
傷ついて市場性を失った鮎を惜しみなく味わう知恵から生まれた「鮎ぞうすい」。素焼きの香ばしさとだしの旨みが溶け合う、岐阜の夏の風物詩である。

鮎の塩焼
1300年の歴史を誇る「鵜飼」で獲れた鮎は皇室や伊勢神宮へ奉納される由緒正しい味。木曽川・長良川・揖斐川の清流で育まれた鮎を、炭火でじっくり焼き上げた夏の風物詩である。

からすみ
桃の節句に東濃の母親が作る「からすみ」は、富士山を模した山型の断面が特徴の蒸し菓子。高級珍味とは別物だが、わが子の幸せを願う名に由来する。