
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
米に栗、小豆、大豆、アワなどを入れ、煎茶で炊き込む炊き込みご飯である。主な伝承地域は神奈川県川崎市で、東海道五十三次の宿場町・川崎宿に所在した茶屋「万年屋」が発祥の地となる。人の往来が盛んな宿場町で、旅人が手早く食べられる現代でいうファーストフードとして江戸後期に大流行し、昼食時に大名も立ち寄るほどの人気を博した。万年屋の廃業により一時途絶えたが、2001年の「大川崎宿祭り」で文献に基づき再現され、現在は市内の和菓子店がもち米と栗甘露煮を用いた「奈良茶飯風おこわ」として新たな名物として親しまれている。
由来・歴史
もともとは奈良の東大寺や興福寺で僧が食べていた料理が、江戸時代に川崎宿へ伝わったとされる。十返舎一九の滑稽本『東海道中膝栗毛』で主人公の弥次さん喜多さんが万年屋の奈良茶飯を食べる場面が描かれたことが契機となり、全国に名が知れ渡った。万年屋は廃業により長らく姿を消したが、2001年の「大川崎宿祭り」で古文書をもとに味が復元された。
食べ方
米に小豆や勝栗(古くは勝栗、現代の「奈良茶飯風おこわ」では栗甘露煮)を入れ、煎茶で炊き込む。江戸時代と同様にシジミのみそ汁とともに提供されるのが特徴である。「奈良茶飯風おこわ」は炊き込みご飯ではなくもち米を使用し、季節を問わず1年を通して食べられる。
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産地
ご飯ものの名物

かて飯
貴重な米をかさ増しするため生まれた相模原の混ぜご飯。農作業の「糧(かて)」として名付けられ、祭りや彼岸にはごちそうとして親しまれた。
ふるさと納税染飯
「瀬戸の染飯」は戦国時代から東海道の茶屋で売られた携帯食で、十返舎一九『東海道中膝栗毛』にも登場する歴史ある名物。くちなしの実で黄色く染めたもち米を干して作り、旅人の足腰の疲れを取る薬効食として評判だった。

へぼ飯
江戸時代からの記録がある貴重な高タンパク食。海から離れた山間部で、大切なお客へのご馳走として振る舞われたクロスズメバチの幼虫料理である。

飯餅
残り飯を水でといた小麦粉と混ぜて焼く、埼玉県内で呼び名が異なる農家の知恵料理。かつては田んぼまで持ち運べるお弁当代わりとして重宝された。

かて飯
「かて」は米に加える具材のことで、もともとは米不足時代のかさ増し料理だった。群馬県では天神講の日に供されるほか、忙しい日の手軽なごちそうとしても重宝される。

五目飯
日本のかんぴょう生産量の99%以上を占める栃木県が誇る「五目飯」。祭りや農家の休日など特別な日に、色とりどりの具材を炊き込んだハレの日の伝統料理である。
神奈川県の名物

田にしの味噌煮
春の飯山観音花祭りで「タニシ町」と呼ばれるほどの賑わいを見せた、甘辛味噌に煮込んだ田にしの郷土料理。かつては農家の日常食として親しまれた。

シューマイ
横浜市のシューマイ消費額は全国平均の2倍以上。崎陽軒の駅売店シウマイと中華街の存在が、神奈川県民の食文化を形作った。

茹で落花生
日本初の落花生栽培地・神奈川が誇る「うでピー」。出荷できない未熟豆を農家のおやつとしたのが始まりで、今や冷凍商品として年間を通じ楽しめる名物になった。

大山の豆腐料理
江戸時代、ひと夏に20万人が訪れた大山詣りで参拝客がすすり歩いた名物豆腐。丹沢の清水と奉納された大豆で作る、水分多めのやわらかな味わいが特徴である。

小田原かまぼこ
「蒲(がま)の穂や鉾に似ている」という名前の由来を持つ、白身魚のすり身を木の板に乗せて蒸し上げた小田原の名物。扇形にぷっくりとはみ出した独特の形状が特徴である。

石垣団子
サイコロ状のさつまいもが石垣に見えることから名付けられた相模原の郷土菓子。火山灰台地で育った地粉とさつまいもの素朴な甘みが、農作業の合間に親しまれた「おこじゅう」として受け継がれている。