
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
かんぴょう、干ししいたけ、にんじん、ごぼう、油揚げ、絹さや、錦糸卵など色とりどりの食材を炊き込んだご飯料理で、かために炊いた米に炒め煮した具材を混ぜ合わせ、錦糸卵や紅しょうがで彩りよく仕上げる。主な使用食材であるかんぴょうは日本の生産量の99%以上が栃木県産、特に県南地域で栽培が盛んな全国1位の特産品であり、この土地の農業を象徴する食材である。祭りや農家の休日などの特別な日に作られてきたハレの日の料理で、手間のかかる炊き込みご飯として祝い事にふさわしい位置づけにある。家庭によって具材の組み合わせや調味のバランスが異なり、かんぴょうの卵とじ汁とセットで供されることも多い。
由来・歴史
「五目飯」は栃木県を代表する特産品であるかんぴょうを主役とした伝統料理である。かんぴょうはゆうがおの実を薄くひも状にむき、太陽光で干し上げた乾物食品で、カルシウム、カリウム、食物繊維が豊富な栄養価の高い食材として古くから親しまれてきた。
食べ方
米は30分前に洗ってざるにあげ、かために炊き上げる。かんぴょうは塩でもみ水に5〜10分つけてから2cm大に切り、戻した干ししいたけや油抜きした油揚げ、根菜類とともに炒め煮して調味する。煮込んだ具材をご飯に混ぜ、錦糸卵、絹さや、のり、紅しょうがを彩りよく盛り付ける。祭りや農家の休日などの特別な日に作られ、干瓢の卵とじとともに供されることがある。
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産地
ご飯ものの名物

かて飯
「かて」は米に加える具材のことで、もともとは米不足時代のかさ増し料理だった。群馬県では天神講の日に供されるほか、忙しい日の手軽なごちそうとしても重宝される。

飯餅
残り飯を水でといた小麦粉と混ぜて焼く、埼玉県内で呼び名が異なる農家の知恵料理。かつては田んぼまで持ち運べるお弁当代わりとして重宝された。

奈良茶飯
東海道の宿場・川崎で旅人を魅了した「ファーストフード」。十返舎一九の『東海道中膝栗毛』に登場し、大名も立ち寄る人気店となった万年屋の名物料理が、現代に復活した。

はらこ飯
鮭の卵「はらこ」をご飯にたっぷりとのせる豪快な一膳。かつては鮭漁の季節に地曳網を見る観光客も遠方から訪れた浜通りの味である。

てんこ小豆の赤飯
紫がかった色合いが秋田の証。「てんこ小豆」という黒ささげを使い、砂糖を入れるのが特徴的な赤飯で、冠婚葬祭から大往生の祝いまで人生の節目に欠かせない。

かて飯
貴重な米をかさ増しするため生まれた相模原の混ぜご飯。農作業の「糧(かて)」として名付けられ、祭りや彼岸にはごちそうとして親しまれた。
栃木県の名物

いなりずし
俵型に握った酢飯を油揚げで包み、中央をかんぴょうで結ぶ独特の姿が特徴。全国のかんぴょうのほぼ全てを生産する栃木県ならではの郷土寿司である。

あいその甘露煮
春先の産卵期に赤い縞模様を帯びたウグイを「あいそ」と呼び、内陸の栃木で貴重なたんぱく源として親しまれた川魚の甘露煮。骨まで柔らかく煮込む伝統の味は、冷蔵庫普及以前の暮らしの知恵が詰まっている。

揚げまき湯波の煮物
日光では「湯葉」を「湯波」と書く。金串ですくい上げた厚みのあるゆばを巻いて揚げ、薄味で煮込んだ、東照宮のお供えにも使われる伝統の味。

ゆず巻き
だいこんにゆずの皮を巻いた甘酢漬け。宇都宮市北部の寒冷ゆずは肉厚で香り高く、雑煮の後の口直しとして欠かせないお正月の定番である。

干瓢のごま酢あえ
かんぴょうの産地・栃木県で生まれた、ゴマ酢でさっぱりと和える定番家庭料理。淡白な干瓢が季節の野菜を引き立て、夏バテ予防にも重宝される。

モロの煮付
海のない栃木県で親しまれる「モロ」は、尿酸を蓄えるサメの特性を活かし内陸部に届いた貴重な海の幸。醤油と砂糖でやわらかく煮付けた家庭の味は、今もスーパーで気軽に手に入る。