
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
もち米をてんこ小豆(黒ささげ)の煮汁で紫がかるまで色づけ、砂糖と酒で甘みをつけた蒸し赤飯である。にかほ市、横手平鹿地域、湯沢雄勝地域に伝わり、秋田の気候風土が育んだ「てんこ小豆」が不可欠な食材となる。お祝い事や仏事、盆正月のほか、天寿を全うした者の大往生を祝う不祝儀では「黒飯」と呼んで供される。家庭ごとに砂糖の量や蒸し加減に違いがあり、現代でも新嘗祭の五穀豊穣の奉納や人生の節目に食され続けている。
由来・歴史
赤飯の起源は古代米(赤米)を神に供えた名残とされ、江戸時代中期に白米を小豆で色づけたものが広まった。秋田では皮がしっかりして割れにくく、色の出が良い「てんこ小豆(黒ささげ)」が用いられ、胴割れ小豆が入ると縁起が悪いという信仰も背景にある。
食べ方
もち米を一晩浸し、てんこ小豆を煮て差し水をしながらしわを伸ばす。米を煮汁で浸した後、蒸し器で蒸し、塩・砂糖・酒と小豆の汁を合わせて再び蒸す。お祝い事や仏事、11月23日の新嘗祭の五穀豊穣の祝いなど、年間を通じて人生の節目に食される。
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産地
ご飯ものの名物

はらこ飯
鮭の卵「はらこ」をご飯にたっぷりとのせる豪快な一膳。かつては鮭漁の季節に地曳網を見る観光客も遠方から訪れた浜通りの味である。

五目飯
日本のかんぴょう生産量の99%以上を占める栃木県が誇る「五目飯」。祭りや農家の休日など特別な日に、色とりどりの具材を炊き込んだハレの日の伝統料理である。

かて飯
「かて」は米に加える具材のことで、もともとは米不足時代のかさ増し料理だった。群馬県では天神講の日に供されるほか、忙しい日の手軽なごちそうとしても重宝される。

飯餅
残り飯を水でといた小麦粉と混ぜて焼く、埼玉県内で呼び名が異なる農家の知恵料理。かつては田んぼまで持ち運べるお弁当代わりとして重宝された。

奈良茶飯
東海道の宿場・川崎で旅人を魅了した「ファーストフード」。十返舎一九の『東海道中膝栗毛』に登場し、大名も立ち寄る人気店となった万年屋の名物料理が、現代に復活した。

かて飯
貴重な米をかさ増しするため生まれた相模原の混ぜご飯。農作業の「糧(かて)」として名付けられ、祭りや彼岸にはごちそうとして親しまれた。
秋田県の名物

卵寒天
秋田県南で「良い嫁」の証とされた寒天料理。溶き卵と砂糖を寒天液に混ぜてかため、お茶菓子から冠婚葬祭の「取り回し」まで幅広く親しまれてきた。

豆腐カステラ
豆腐を絞ってカステラ状に焼いた秋田県南の知られざる郷土菓子。刺身のようにわさび醤油で食べる意外な食べ方も親しまれる。

あさづけ
「浅漬け」とは別物。砕け米を煮て練り、砂糖と酢で味付けする秋田の甘酸っぱいデザート。田植え後の女性たちを癒やした農家の知恵が詰まった一品。

いぶりがっこ
囲炉裏の煙で燻した大根を漬け込んだ秋田の知恵の結晶。〈いぶり〉は燻製、〈がっこ〉は漬物を意味する方言で、豪雪地の冬越しを支えた保存食が今も親しまれている。

鱈の子炒り
子宝祈願の縁起物として秋田の正月に欠かせない「鱈の子炒り」。真鱈の卵を糸こんにゃくとネギで炒りつけ、産地・由利地域ではシンプルに鱈子本来の風味を楽しむ。

かまぶく
魚のすり身を使わない「かまぼこ」が秋田の山間部に生まれた。じゃがいもと餅粉で作るもちもちの口取り菓子で、お祝い事に欠かせない一品である。