
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
大根をナラや桜などの広葉樹の煙で2〜5日間燻し、米ぬか・塩・ザラメで2ヵ月以上発酵熟成させた燻製干しのたくあん漬けである。秋田県内陸南部の奥羽山脈に阻まれた豪雪地帯で、晩秋から冬にかけて日照不足と氷点下の気温により天日干しが不可能な環境から生まれた。収穫後の降雪期前に仕込み、長期間雪に閉ざされる厳冬期の食卓と健康を支えてきた。ご飯のお供、酒の肴、お茶うけとして幅広く食べられ、家々に伝わる味で来客をもてなしたり、近所仲間とその年の出来映えを競い合う場面も見られる。
由来・歴史
起源は室町時代ともいわれ、かつては県内陸部のほぼ全戸で作られた。西風に伴う湿気と降雪、短い日照時間という豪雪地の自然条件の中、囲炉裏の熱と煙で大根を干す工夫が生まれた。冬季の低温で発酵がゆっくり進み、燻製の香りと漬け材料が融和して独特のうま味を醸し出す。〈いぶり〉は〈いぶした〉、〈がっこ〉は秋田の方言で〈漬け物〉を意味し、豪雪地の冬越しを支えた郷土料理として県内全域に広まった。
食べ方
大根を冷水で洗い、太いものから順に手作業で縄編みしてから2〜5日間燻す。米ぬか・塩・ザラメを振りかけて2ヵ月以上漬け込み、樽から出したら表面の米ぬかを冷水でさっと洗い落として薄く切る。収穫後の降雪期前に仕込み、雪深い冬の食卓でご飯のお供、酒の肴、お茶うけとして食べる。家々の伝統的な味があり、来客へのもてなしや近所との味の競い合いも行われる。
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産地
秋田県の名物

てんこ小豆の赤飯
紫がかった色合いが秋田の証。「てんこ小豆」という黒ささげを使い、砂糖を入れるのが特徴的な赤飯で、冠婚葬祭から大往生の祝いまで人生の節目に欠かせない。

卵寒天
秋田県南で「良い嫁」の証とされた寒天料理。溶き卵と砂糖を寒天液に混ぜてかため、お茶菓子から冠婚葬祭の「取り回し」まで幅広く親しまれてきた。

豆腐カステラ
豆腐を絞ってカステラ状に焼いた秋田県南の知られざる郷土菓子。刺身のようにわさび醤油で食べる意外な食べ方も親しまれる。

あさづけ
「浅漬け」とは別物。砕け米を煮て練り、砂糖と酢で味付けする秋田の甘酸っぱいデザート。田植え後の女性たちを癒やした農家の知恵が詰まった一品。

鱈の子炒り
子宝祈願の縁起物として秋田の正月に欠かせない「鱈の子炒り」。真鱈の卵を糸こんにゃくとネギで炒りつけ、産地・由利地域ではシンプルに鱈子本来の風味を楽しむ。

かまぶく
魚のすり身を使わない「かまぼこ」が秋田の山間部に生まれた。じゃがいもと餅粉で作るもちもちの口取り菓子で、お祝い事に欠かせない一品である。