
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
御厨そばは、山芋や自然薯を練り込んで打つそばに、鶏ガラで取っただし汁をかけて食べる汁そばである。麺は山芋の粘りで喉ごしがよく、つゆは鶏肉、にんじん、しいたけを具として煮込んだ風味豊かなものである。静岡県御殿場市の御厨地域はそばや麦の多産地で、農家が自前の作物を活かして発展させた料理である。大みそかや正月、各種行事の際に客人へのごちそうとして振る舞われ、地域の人々に親しまれてきた。家庭ごとに味付けや具材の配合に違いがあり、醤油・砂糖・塩のバランスでそれぞれの味が形成される。現代でも御厨地域の食文化を伝える郷土料理として、地元の人々に受け継がれている。
由来・歴史
御殿場市御厨地域の郷土料理として、そばや麦を多く栽培していた農家が生み出した。水を使わず山芋や自然薯を用いてそばを打ち、鶏ガラでだしを取るという技法は、当地の農産物を最大限に活かした知恵である。素朴な味わいと喉ごしの良さが特徴となり、地域の食文化として定着した。
食べ方
鶏ガラのだし汁に一口大の鶏肉、千切りのにんじんとしいたけを入れ煮立たせ、醤油・砂糖・塩で味をつけたつゆをそばにかけて食べる。大みそかや正月、各種行事の際に客人をもてなすごちそうとして提供される家庭的な料理である。
オンラインで買う
ふるさと納税で取り寄せる
産地
そばの名物

出石皿そば
徳利のつゆに小皿のそばを次々とつけて食べる、豊岡市出石町の名物。300年前に信州から来た職人が技術を伝え、今も約40店で味わえる。

けんちんそば
江戸時代から続く新見市の冬の知恵。「けんちん」とは千切りの材料を油で炒めて巻くことで、鶏がらスープのけんちん汁を手打ちそばにかけて食べる。

そばどじょう鍋
そば粉をどじょうのような細長い形にして鍋に入れる、岡山県山間地の冬の名物料理。川魚のだし汁で煮込み、体を芯から温める。

そば
「西はうどん、東はそば」という言葉通り、気性の激しい江戸っ子に最も愛された麺。年越しそばや引っ越しそばとして縁起物としても重宝され、駅の立ち食い文化まで生み出した。

ちたけうどん(そば)
盆の時期に採れる「ちちたけ(乳茸)」を使った、平地林が広がる栃木県平野部ならではのうどんだ。香り高きのことなすの相性が抜群で、かつては里山で多く採れたが、現在は貴重な味となっている。

かてそば
「かて」とは増量材のこと。食糧難の時代に庶民に広まった知恵が、今も鹿沼の「にらそば」や佐野の「だいこんそば」として親しまれている。
静岡県の名物

鯖の箱寿司
1261年、日蓮上人をかくまった漁師が井桁の重箱で食を運んだことが由来。伊豆の祭りで配られる鯖の箱寿司は、地元の魚をほぐした「おぼろ」と煮物を酢飯に盛り込む豪快な郷土料理である。
ふるさと納税染飯
「瀬戸の染飯」は戦国時代から東海道の茶屋で売られた携帯食で、十返舎一九『東海道中膝栗毛』にも登場する歴史ある名物。くちなしの実で黄色く染めたもち米を干して作り、旅人の足腰の疲れを取る薬効食として評判だった。

イルカの味噌煮
縄文時代から続く伊豆の伝統漁が生んだ、ごぼうと味噌で煮込む野性味あふれる郷土料理。鮮魚店で皿盛りされていたイルカ肉は、冬の日常食として家庭の味噌煮に変わった。

水かけ菜の漬物
「水をかける」という名の由来通り、富士山の湧水を流して栽培される早春の特産野菜。明治時代に越後から伝わった漬物は、鉄道工事の労働者たちに広まった。

とろろ汁
松尾芭蕉の俳句にも詠まれた東海道の名物。自然薯をすりおろした粘り気のある汁を麦飯にかけ、旅の疲れを癒すスタミナ食として江戸時代から親しまれた。
ふるさと納税山葵漬け
明治22年の静岡駅開業とともに売り出された駅弁発祥の名物。わさびの辛みと酒粕の甘みが絶妙に絡み、日常の食卓からお土産まで静岡人に長く愛されてきた。