
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
イルカの肉をごぼう、にんじん、こんにゃくなどとともに炒め、酒・醤油・砂糖・味噌で味付けした煮物である。赤身と脂身のバランスが特徴的なイルカ肉は、先に脂身を炒めてから具材を加えることでコクが引き出される。主な伝承地域は静岡県伊豆地方で、伊豆半島沖の湾がイルカの回遊経路にあたり、複雑に入り組んだ地形が追い込み漁に適していたことから漁業が発達した。冬の一般家庭の日常食としてしばしば食されており、鮮魚店で皿盛りで販売されていた時代は、各家庭で味噌煮が作られていた。入れる野菜の種類や味噌の配合は家庭ごとに異なり、またイルカ肉を醤油タレに漬け天日干しした「タレ」という干物も酒の肴として親しまれた。2004年以降は追い込み漁が行われなくなったが、2019年から飼育用捕獲に限って解禁されており、伝統料理としての記憶が継承されている。
由来・歴史
静岡県のイルカ漁は伊豆地方を中心に古くから行われ、縄文時代の遺跡からイルカの骨が出土するほど歴史が深い。伊豆半島沖の湾がイルカの回遊経路にあり、複雑な地形が追い込み漁に適していたことから中世・近世にも記録が残る。明治以降は伊豆で水揚げされたイルカが県内外に販売され、鮮魚店で皿盛りされた肉が一般家庭の味噌煮となって普及した。現在はいとう漁協(伊東市・富戸漁港)のみが追い込み漁を継承するが、2004年以降は愛護活動の高まりなどで漁が休止し、2019年に飼育用捕獲に限って解禁された。
食べ方
イルカ肉を一口大に切り、脂身を先に炒めてからごぼうを加えてさらに炒める。酒、醤油、砂糖、味噌で味付けし、にんじんやこんにゃくを入れる家庭もある。冬の日常食として一般家庭で頻繁に作られていた。また、厚さ2センチほどに切った肉を醤油タレに漬け天日干しした干物「タレ」は、酒の肴として食べられていた。
オンラインで買う
ふるさと納税で取り寄せる
産地
煮物の名物

ばいの煮もの
「めでたいことが倍になる」という縁起の良い語呂から、お祝いの席に欠かせない富山の名物料理。殻ごと煮上げることで、バイ貝の旨みを存分に味わえる。

いかと里いもの煮もの
富山湾の鮮度抜群スルメイカと、江戸時代から続く伝統野菜サトイモを煮込む冬の定番。プリッとした食感とねっとりとしたやわらかさの対比が魅力の、ご飯にも酒にも合う家庭的な味わいである。

たけのこの味噌煮
昆布のうま味を利かせた富山ならではの「たけのこの味噌煮」。射水市黒河の黒土が生む独特のほろ苦さと、高岡市西田のやわらかな歯ごたえが、春の訪れを告げる。

筍のアラメ煮
かつて海岸に流れ着いた海藻を使った春の味。アラメの水揚げが途絶えても、他地域のものを使い今も食卓に並ぶ、静岡中部の知る人ぞ知る郷土料理。

金目の煮付け
伊豆半島の高級魚・地金目鯛を丸ごと甘辛く煮詰めた逸品。1本釣りで水揚げされる稲取キンメは脂の乗りが絶品で、ハレの日には姿煮で振る舞われる。

ワカサギの甘露煮
水あめで照りを出した甘辛い味付けが特徴。大正7年に霞ヶ浦から移植されたワカサギは、芦ノ湖の澄んだ水で100年以上も育まれ、正月の定番保存食として親しまれてきた。
静岡県の名物
ふるさと納税染飯
「瀬戸の染飯」は戦国時代から東海道の茶屋で売られた携帯食で、十返舎一九『東海道中膝栗毛』にも登場する歴史ある名物。くちなしの実で黄色く染めたもち米を干して作り、旅人の足腰の疲れを取る薬効食として評判だった。

鯖の箱寿司
1261年、日蓮上人をかくまった漁師が井桁の重箱で食を運んだことが由来。伊豆の祭りで配られる鯖の箱寿司は、地元の魚をほぐした「おぼろ」と煮物を酢飯に盛り込む豪快な郷土料理である。

御厨そば
山芋を練り込んだ喉ごしの良いそばに、鶏ガラの風味豊かなつゆをかけて食べる。御殿場市御厨地域の農家が水を使わずに打った素朴な味わいが、大みそかや正月の客人をもてなす名物料理となった。

水かけ菜の漬物
「水をかける」という名の由来通り、富士山の湧水を流して栽培される早春の特産野菜。明治時代に越後から伝わった漬物は、鉄道工事の労働者たちに広まった。

とろろ汁
松尾芭蕉の俳句にも詠まれた東海道の名物。自然薯をすりおろした粘り気のある汁を麦飯にかけ、旅の疲れを癒すスタミナ食として江戸時代から親しまれた。
ふるさと納税山葵漬け
明治22年の静岡駅開業とともに売り出された駅弁発祥の名物。わさびの辛みと酒粕の甘みが絶妙に絡み、日常の食卓からお土産まで静岡人に長く愛されてきた。