
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
スルメイカとサトイモを弱火でじっくり煮込んだ煮物料理で、イカのプリッとした食感とサトイモのねっとりとしたやわらかさ、こっくりとした味わいが特徴である。富山湾で水揚げされるスルメイカは氷見漁港・新湊漁港からスピーディーに出荷され鮮度が良く、サトイモは南砺市と上市町を中心に江戸時代から栽培が続く伝統野菜である。サトイモの収穫期である9~11月を中心に、寒い時期の食卓に幅広い世代から親しまれてきた。家庭ごとに味付けの濃さや煮込み具合に違いがあり、ご飯のおかずとしても酒のつまみとしても重宝される身近な料理として現代も受け継がれている。
由来・歴史
富山湾は一年中イカが獲れる豊かな漁場であり、イカ料理のバリエーションが発達した。特に県西部の氷見漁港と新湊漁港で水揚げされるスルメイカは漁獲トップであり、迅速な入札・出荷体制により鮮度の高いものが流通する。一方サトイモは江戸時代からの栽培歴を持つ富山県の伝統野菜で、南砺市と上市町が主産地として知られる。これらの地元の幸を組み合わせた煮物料理は、寒い時期に登場するお馴染みの家庭料理として定着した。
食べ方
イカは内臓を取り除き輪切りにし、サトイモは皮をむいて準備する。煮汁を煮立たせたら両者を入れ、煮立ったあくをすくいながら弱火で30分間揺らし煮にし、煮汁が少なくなるまで味を染み込ませる。秋から冬にかけてのサトイモ収穫期、特に寒い時期に食卓に並ぶ定番料理で、ご飯のおかずはもちろん酒のつまみとしても楽しまれる。
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産地
煮物の名物

雑煮
富山県の雑煮は東西で全く異なる顔を持つ。海沿いではフクラギなどの魚介を贅沢に、内陸では根付き白ネギで長寿を願うシンプルな一杯。どちらも欠かせないのは、昆布巻きかまぼこである。

つぼ煮
立山信仰の宿坊で振る舞われた精進料理が、朱塗りの「つぼ椀」に盛られたことで名付けられた。春に摘んだ山菜くごみを干して保存し、一年中味わえる具だくさんの煮物である。

イルカの味噌煮
縄文時代から続く伊豆の伝統漁が生んだ、ごぼうと味噌で煮込む野性味あふれる郷土料理。鮮魚店で皿盛りされていたイルカ肉は、冬の日常食として家庭の味噌煮に変わった。

筍のアラメ煮
かつて海岸に流れ着いた海藻を使った春の味。アラメの水揚げが途絶えても、他地域のものを使い今も食卓に並ぶ、静岡中部の知る人ぞ知る郷土料理。
富山県の名物

たら汁
富山県朝日町発祥の漁師の汁物。漁に出た男たちを温かく出迎えようと、女房たちが流木を集め大鍋を沸かして作ったのが始まり。現在は国道8号沿いに「たら汁街道」が形成されている。

ます寿司
将軍吉宗が絶賛した「ます寿司」は、富山藩士・吉村新八が考案した押し寿司。大正時代に駅弁として全国に名を馳せ、今も富山市内に20軒以上の専門店が軒を連ねる。

たけのこの味噌煮
昆布のうま味を利かせた富山ならではの「たけのこの味噌煮」。射水市黒河の黒土が生む独特のほろ苦さと、高岡市西田のやわらかな歯ごたえが、春の訪れを告げる。

ぶりしゃぶ
富山湾の王者「寒ブリ」を、刺身のままさっとだし汁にくぐらせる贅沢な食べ方。表面だけに火が通り、中はレアな状態で旨みが閉じ込められる。氷見漁港のブランド「ひみ寒ぶり」で味わう冬のご馳走である。

焼き付け
昭和初期の食糧難から生まれた富山の素朴な郷土食。大きな鉄鍋で薄く広げたもち粉生地に味噌ダレを塗り、野良仕事の合間にみんなで食べた腹持ちの良い一皿。

ばいの煮もの
「めでたいことが倍になる」という縁起の良い語呂から、お祝いの席に欠かせない富山の名物料理。殻ごと煮上げることで、バイ貝の旨みを存分に味わえる。