
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
たけのこの味噌煮は、タケノコを輪切りにして昆布とともに味噌で煮込んだ郷土料理である。富山県は昆布の産地であり、特産の昆布のうま味を活かした味噌仕立てが特徴だ。主な産地は射水市黒河地区と高岡市西田地区で、前者は黒土によるほろ苦さ、後者は粘土質の土壌によるやわらかな歯ごたえがそれぞれの個性となっている。収穫時期である4〜5月に家庭で頻繁に作られ、掘りたての新鮮なタケノコの格別な味わいが楽しまれる。西田地区では分厚く輪切りにするのが特徴的で、地域ごとに調理法の違いが見られる。現在もタケノコ料理専門店が存在し、春の風物詩として親しまれている。
由来・歴史
射水市黒河地区のタケノコ栽培は約150年前、民家周辺の竹やぶでの収穫から始まった。高岡市西田地区では、臨済宗国泰寺派の大本山・国泰寺の斜面に生えるモウソウチクを、訪れた参詣者に料理でもてなしたことがタケノコが根付いた所以とされる。両地区ともモウソウチクの竹林が点在し、現在も町に直売場や専門店が並ぶ名産地となっている。
食べ方
タケノコは米ぬかと鷹の爪を入れた鍋で下ゆでし、やわらかくなったら自然冷却させて皮をむく。その後、切ったタケノコと昆布を水と味噌で弱火にかけ、昆布がとろりとするまでじっくり煮込む。収穫期の4〜5月に家庭で作られ、ワカメを合わせた若竹煮とは異なり、昆布を合わせる点が富山県ならではの食習慣である。
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産地
煮物の名物

つぼ煮
立山信仰の宿坊で振る舞われた精進料理が、朱塗りの「つぼ椀」に盛られたことで名付けられた。春に摘んだ山菜くごみを干して保存し、一年中味わえる具だくさんの煮物である。

いとこ煮/にざい
親鸞聖人の命日に供される浄土真宗の法要料理。小豆と根菜を煮込む「いとこ煮」は、いとこのように近しい食材が集まることから名付けられたともいわれる。

ばいの煮もの
「めでたいことが倍になる」という縁起の良い語呂から、お祝いの席に欠かせない富山の名物料理。殻ごと煮上げることで、バイ貝の旨みを存分に味わえる。

イルカの味噌煮
縄文時代から続く伊豆の伝統漁が生んだ、ごぼうと味噌で煮込む野性味あふれる郷土料理。鮮魚店で皿盛りされていたイルカ肉は、冬の日常食として家庭の味噌煮に変わった。
富山県の名物

報恩講料理
朱塗りの御膳に山盛りの郷土料理が並ぶ、浄土真宗の報恩講に欠かせない「ほんこさま」の食。五箇山では春に摘んだ山菜や堅い五箇山豆腐の煮物が供えられ、膳に収まらない料理は「オトシ」と呼ばれる。

雑煮
富山県の雑煮は東西で全く異なる顔を持つ。海沿いではフクラギなどの魚介を贅沢に、内陸では根付き白ネギで長寿を願うシンプルな一杯。どちらも欠かせないのは、昆布巻きかまぼこである。
ふるさと納税みょうが寿司
鮮やかなピンク色の「小佐波みょうが」とマスを合わせた富山の伝統寿司。かつては茶わんに盛るちらし型が主流だったが、笹包みの押し寿司として生まれ変わり、ハレの日以外も親しまれるお土産に。

ます寿司
将軍吉宗が絶賛した「ます寿司」は、富山藩士・吉村新八が考案した押し寿司。大正時代に駅弁として全国に名を馳せ、今も富山市内に20軒以上の専門店が軒を連ねる。

たら汁
富山県朝日町発祥の漁師の汁物。漁に出た男たちを温かく出迎えようと、女房たちが流木を集め大鍋を沸かして作ったのが始まり。現在は国道8号沿いに「たら汁街道」が形成されている。

いかと里いもの煮もの
富山湾の鮮度抜群スルメイカと、江戸時代から続く伝統野菜サトイモを煮込む冬の定番。プリッとした食感とねっとりとしたやわらかさの対比が魅力の、ご飯にも酒にも合う家庭的な味わいである。