
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
みょうが寿司は、富山市南東部・旧大山町の小佐波地区の伝統野菜「小佐波みょうが」とマスのほぐし身を酢飯と合わせた郷土料理である。鮮やかなピンク色で香り高くシャキシャキとした食感のミョウガが特徴的で、甘酢のさっぱりとした味わいが際立つ。主な伝承地である小佐波地区は、かつて各家庭でミョウガ栽培が盛んで、味噌汁や薬味など多様な料理に活用されてきた農村地域である。祭事や親鸞聖人の命日の法要・報恩講といったハレの日のおもてなしとして必ず作られ、8月から10月のミョウガの採れる時期には家庭でもちらし寿しや押し寿しとして食された。過疎化で生産量が減り作る家庭も減少したが、笹に包んだ押し寿司タイプが開発されて通年製造されるようになり、現在は県内外でお土産として広く親しまれている。
由来・歴史
小佐波みょうがは富山県を代表する伝統野菜で、かつては各家庭で栽培され味噌汁の具や薬味として多用された。みょうが寿司は長い歴史を持ち、本来は祭事の際に家庭で作られるごちそうであった。かつては炊きたての酢飯にミョウガとマスを混ぜ、茶わんによそって食べるちらし型が主流だった。過疎化によりミョウガ生産が衰退し、作る家庭も減少したが、笹包みの押し寿司として生まれ変わるとハレの日以外にも食され、県内外に広まった。
食べ方
ミョウガは細切りにして塩もみし酢に漬け、マスは酢の効いた調味液に2時間漬けてほぐす。硬めに炊いたご飯にだし汁と合わせ酢を加え、マス・ミョウガ・青じそを混ぜ合わせる。作りたては香りが際立ち、残りは押し寿司にすると良い。小佐波地区では報恩講や祭りのハレの日に作られ、8月から10月の採れ時には家庭でも食される。現在は甘酢漬けのミョウガを使った笹包み押し寿司が通年製造され、手軽に味わえる。
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産地
寿司の名物

かぶらずし
武士しか食べられなかったブリを、農民がかぶに隠して食べたのが始まりともいわれる発酵寿司。富山県西部に脈々と伝わる冬のご馳走で、正月のハレの日に欠かせない味である。

おせずし
「押しずし」が訛った名前の由来を持つ、富山県新川地区の押し寿司。焼きサバのほぐし身を酢飯で挟み、海苔をのせて一晩重石で押し固める。四角く切り分けるのが特徴で、春祭りや「たてもん祭り」などの伝統行事で大皿に豪快に盛られる。

朴葉ずし
手を汚さず食べられる携帯食が華やかな初夏の御馳走へ。朴の葉の殺菌・防カビ効果が、高温多湿の田植え期に重宝された知恵の料理。

ます寿司
将軍吉宗が絶賛した「ます寿司」は、富山藩士・吉村新八が考案した押し寿司。大正時代に駅弁として全国に名を馳せ、今も富山市内に20軒以上の専門店が軒を連ねる。

鯖の箱寿司
1261年、日蓮上人をかくまった漁師が井桁の重箱で食を運んだことが由来。伊豆の祭りで配られる鯖の箱寿司は、地元の魚をほぐした「おぼろ」と煮物を酢飯に盛り込む豪快な郷土料理である。

げんなり寿司
巨大な押し寿司を食べると「げんなり」疲れることから名付けられた、伊豆稲取の縁起物。キンメダイの紅白おぼろを山と盛り、祝い事に親戚へ配る豪快なハレ料理である。
富山県の名物

白えび素干だしのそうめん
富山湾の宝石・シロエビの素干しを使った贅沢な出汁が、江戸時代から続く伝統の大門素麺と出会う。清流庄川の水と冬の寒風が生んだコシ強い麺に、海の恵みが凝縮した夏の味覚である。

すり身揚げ
富山湾の新鮮な魚のすり身を揚げた一品。氷見市では「ととぼち揚げ」と呼ばれ、おでんや鍋の具材としても親しまれる。外カリ中ふわの食感が子供から大人まで好まれる。

げんげの味噌汁
「下の下の魚」と蔑まれた深海魚が、コラーゲン豊富な幻の高級魚へ。富山の漁村で密かに愛されてきたゲンゲの味噌汁は、鮮度保持技術の向上により今や県内外で注目を集める。

雑煮
富山県の雑煮は東西で全く異なる顔を持つ。海沿いではフクラギなどの魚介を贅沢に、内陸では根付き白ネギで長寿を願うシンプルな一杯。どちらも欠かせないのは、昆布巻きかまぼこである。

報恩講料理
朱塗りの御膳に山盛りの郷土料理が並ぶ、浄土真宗の報恩講に欠かせない「ほんこさま」の食。五箇山では春に摘んだ山菜や堅い五箇山豆腐の煮物が供えられ、膳に収まらない料理は「オトシ」と呼ばれる。

たけのこの味噌煮
昆布のうま味を利かせた富山ならではの「たけのこの味噌煮」。射水市黒河の黒土が生む独特のほろ苦さと、高岡市西田のやわらかな歯ごたえが、春の訪れを告げる。