
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
酢飯の中央に甘煮にんじんを詰め、キンメダイの紅白そぼろを山盛りにした押し寿司である。伊豆半島東岸の稲取は、明治から続くキンメダイの名産地で、深い海と黒潮の恵みが高級魚を育む。結婚式や七五三、成人式といったハレの日に家庭で作り、親戚や近所へ配る習わしがあった。マグロ赤身、しいたけ煮、玉子焼きを加えたセット形式もあり、家ごとに具材の組み合わせや大きさに差がある。近年は観光客向けの商品化も進み、地域の食文化を伝える象徴的存在となった。
由来・歴史
稲取のキンメダイ漁は明治時代に始まった。当地のハレ料理は、紅白のキンメダイそぼろを載せた押し寿司であり、結婚式や七五三、成人式で作られた。その圧倒的な大きさを食べきると疲労感に襲われることから「げんなり寿司」の名が生まれた。キンメダイおぼろに加え、マグロ、しいたけ、玉子焼きを組み合わせたセット形式も後に発展した。
食べ方
千切りにんじんを甘く煮て酢飯の中心に詰め、型で押し固める。型から外したらキンメダイの紅白おぼろを盛り付ける。マグロ赤身、しいたけ煮、玉子焼きの押し寿司を添えたセットにすることもある。成人式や七五三などの祝い事に家庭で調理し、親戚や近隣へ配るのが慣わしであった。
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産地
寿司の名物

鯖の箱寿司
1261年、日蓮上人をかくまった漁師が井桁の重箱で食を運んだことが由来。伊豆の祭りで配られる鯖の箱寿司は、地元の魚をほぐした「おぼろ」と煮物を酢飯に盛り込む豪快な郷土料理である。

ます寿司
将軍吉宗が絶賛した「ます寿司」は、富山藩士・吉村新八が考案した押し寿司。大正時代に駅弁として全国に名を馳せ、今も富山市内に20軒以上の専門店が軒を連ねる。
ふるさと納税みょうが寿司
鮮やかなピンク色の「小佐波みょうが」とマスを合わせた富山の伝統寿司。かつては茶わんに盛るちらし型が主流だったが、笹包みの押し寿司として生まれ変わり、ハレの日以外も親しまれるお土産に。

にぎりずし
江戸時代の屋台食から世界へ広まる日本の食文化。具材より飯を食べて小腹を満たした庶民の味が、高級料亭から回転寿司まで多様な形で親しまれている。

島ずし
江戸前の「ヅケ」技法のルーツともいわれる、伊豆諸島の島ずし。ワサビの代わりに練りがらしや島唐辛子の「島とう醤油」を使う独特の食文化が、各島で独自に発展した。

穴子寿司
「おいしい鮨屋はあなごでわかる」と言われる江戸前ずしの定番。東京湾の栄養豊かな海で育った穴子を、職人がぬめりを取り除き丁寧に煮上げる技が光る。
静岡県の名物

ところてん
突き器で押し出した細長い形状が特徴的な伊豆のソウルフード。天草の日本一の産地である伊豆半島で、子どものおやつとして親しまれてきた。西伊豆のマクサは柔らかく、東伊豆のオオブサはしっかりとした食感になる。

沖あがり
「沖から上がった」漁師が漁の反省会で味わった鍋料理。駿河湾産の生桜エビを豆腐・葉ねぎとすき焼き風に煮込み、酒の肴として親しまれた漁師めしである。

おざく
「ざくざく切る」という名前の由来が示す通り、野菜を大雑把に切って煮込む静岡の郷土料理。結婚式や葬式、祭りなど人が集まる場で隣近所が畑の野菜を持ち寄って作った、コミュニティの絆を体現する汁物である。

ぼくめし
「ぼくめし」の名は太い杭「木杭(ぼっくい)」に由来し、売り物にならなかった太いウナギを養鰻場のまかない飯として食べ始めたのが始まりである。吉田町の家庭で親しまれた混ぜごはんは、近年のウナギ高騰で作られる機会が減っている。

黒はんぺんフライ
鯖や鰯の骨まで丸ごと練り込んだ灰色の練り物を揚げた、静岡県民のソウルフード。白いはんぺんとは別物の、魚のうまみが凝縮された香ばしいお惣菜である。

金山寺味噌
調味料ではなくそのまま食べる「なめ味噌」の一種で、夏野菜を冬まで保存するため寺で生まれた発酵食品。お茶漬けや酒の肴として親しまれ、静岡県各地で作られている。