
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
天草を煮て固め、突き器で細長く押し出した寒天状の食品である。原料の天草はテングサ科の海藻で、西伊豆のマクサは柔らかく粘りがあり、東伊豆のオオブサは太く硬い食感となる。主な伝承地域は土肥(西伊豆)と稲取(東伊豆)で、伊豆半島は日本一の天草産地として知られる。通年食されるが、5月末から初夏の天草漁の時期が旬であり、軽食やおやつとして気軽に食べられる。家庭では三杯酢や酢醤油で、駄菓子屋では子どものおやつとして親しまれ、現代ではきな粉や黒蜜での甘味喫食も広まっている。
由来・歴史
伊豆半島は天草の日本一の産地であり、約1600年前から天草漁が行われてきた。天草は当初肥料としても利用されていたが、のちにところてんの原料となった。西伊豆の土肥町・八木沢海岸では春から初夏にかけて天草の収穫と天日干しが盛んに行われ、海岸が赤いじゅうたんを敷いたような光景となる。
食べ方
天草を水で洗い、水と酢とともに煮て液をこし、型に入れて流し固める。突き器で押し出し細長くしたところてんに、三杯酢か酢醤油をかけて食べる。辛子を添え青のりを散らすほか、きな粉や黒蜜で甘味としても楽しむ。季節を問わず食されるが、毎年5月末から初夏の天草漁の時期が旬である。
オンラインで買う
ふるさと納税で取り寄せる
産地
静岡県の名物

沖あがり
「沖から上がった」漁師が漁の反省会で味わった鍋料理。駿河湾産の生桜エビを豆腐・葉ねぎとすき焼き風に煮込み、酒の肴として親しまれた漁師めしである。

おざく
「ざくざく切る」という名前の由来が示す通り、野菜を大雑把に切って煮込む静岡の郷土料理。結婚式や葬式、祭りなど人が集まる場で隣近所が畑の野菜を持ち寄って作った、コミュニティの絆を体現する汁物である。

金山寺味噌
調味料ではなくそのまま食べる「なめ味噌」の一種で、夏野菜を冬まで保存するため寺で生まれた発酵食品。お茶漬けや酒の肴として親しまれ、静岡県各地で作られている。

げんなり寿司
巨大な押し寿司を食べると「げんなり」疲れることから名付けられた、伊豆稲取の縁起物。キンメダイの紅白おぼろを山と盛り、祝い事に親戚へ配る豪快なハレ料理である。

ぼくめし
「ぼくめし」の名は太い杭「木杭(ぼっくい)」に由来し、売り物にならなかった太いウナギを養鰻場のまかない飯として食べ始めたのが始まりである。吉田町の家庭で親しまれた混ぜごはんは、近年のウナギ高騰で作られる機会が減っている。

黒はんぺんフライ
鯖や鰯の骨まで丸ごと練り込んだ灰色の練り物を揚げた、静岡県民のソウルフード。白いはんぺんとは別物の、魚のうまみが凝縮された香ばしいお惣菜である。