
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
かぶの輪切りに切り込みを入れ、塩漬けしたブリやサバなどを挟み、甘酒麹とともに約2週間発酵させるなれずしである。酸味と旨みのバランスが絶妙で、かぶのみずみずしさと魚の脂が調和する。主に富山県西部の砺波平野周辺で作られ、ここはかぶの名産地で毎年10月下旬に重さ1kg以上の大かぶが収穫される。かぶの収穫後の11月下旬頃から本格化し、正月を彩るハレの日の料理として古くから親しまれてきた。家庭ごとに具材の組み合わせや熟成期間に違いがあり、サバやサケ、マスなど魚の種類も多様である。またかぶの代わりにダイコンを用いた通年楽しめる大根寿司も存在する。
由来・歴史
加賀藩の時代から伝わる石川県の郷土料理だが、富山県西部もかつて加賀藩領であったため文化が通じ、こちらでも根付いた。発祥については前田藩主が深谷温泉を訪れた際に提供された説のほか、武士専用だったブリを農民がかぶに隠して食べたのが起源という説もある。
食べ方
かぶは厚く皮を剥き中心部を輪切りにし、2センチ程度の厚さで中心に切り目を入れて塩を振り一晩置く。削ぎ切りにした魚を挟み、樽の中で甘酒麹、にんじん、ゆず、しょうがの千切りと交互に詰めて重石をかけ、約2週間熟成させる。11月下旬頃から作り始め、正月の祝い膳に供されるのが一般的である。
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産地
寿司の名物

朴葉ずし
手を汚さず食べられる携帯食が華やかな初夏の御馳走へ。朴の葉の殺菌・防カビ効果が、高温多湿の田植え期に重宝された知恵の料理。

ねずし
「ねずしがないと正月が来ない」と言われる飛騨の発酵寿司。厳寒の土地で生まれた甘酸っぱくマイルドな味わいは、全国のなれずしの中でも食べやすいと評判である。
ふるさと納税みょうが寿司
鮮やかなピンク色の「小佐波みょうが」とマスを合わせた富山の伝統寿司。かつては茶わんに盛るちらし型が主流だったが、笹包みの押し寿司として生まれ変わり、ハレの日以外も親しまれるお土産に。

ます寿司
将軍吉宗が絶賛した「ます寿司」は、富山藩士・吉村新八が考案した押し寿司。大正時代に駅弁として全国に名を馳せ、今も富山市内に20軒以上の専門店が軒を連ねる。

鯖の箱寿司
1261年、日蓮上人をかくまった漁師が井桁の重箱で食を運んだことが由来。伊豆の祭りで配られる鯖の箱寿司は、地元の魚をほぐした「おぼろ」と煮物を酢飯に盛り込む豪快な郷土料理である。
富山県の名物

いとこ煮/にざい
親鸞聖人の命日に供される浄土真宗の法要料理。小豆と根菜を煮込む「いとこ煮」は、いとこのように近しい食材が集まることから名付けられたともいわれる。
ふるさと納税とろろ昆布のおにぎり
海苔ではなくとろろ昆布を巻くのが富山県民の定番。北前船がもたらした昆布文化が生んだ、ふわっと柔らかな黒白のおにぎりである。

おせずし
「押しずし」が訛った名前の由来を持つ、富山県新川地区の押し寿司。焼きサバのほぐし身を酢飯で挟み、海苔をのせて一晩重石で押し固める。四角く切り分けるのが特徴で、春祭りや「たてもん祭り」などの伝統行事で大皿に豪快に盛られる。

ぶり大根
「ぶり起こし」と呼ばれる嵐の後に最盛期を迎える富山湾の寒ブリ。脂がのった身と大根をじっくり煮込み、一晩置くとさらに味が染み込む。縁起の良い「出世魚」として正月の食卓にも並ぶ。

べっこう/えべす
あめ色の寒天に卵がむら雲のように浮かぶ美しい姿が、べっ甲のかんざしに似ていることから「べっこう」と名付けられた富山の伝統料理。昔は卵が贅沢品だったため、お祝いや仏事など特別な日のご馳走として親しまれてきた。

酢ずき
里芋の葉柄を酢漬けにした富山の伝統的な酢の物。赤ずいきの鮮やかな発色が美しく、産後の女性に食べさせる風習も残る。シャキシャキとした歯ごたえが夏の食卓を彩る。