
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
溶き卵を流し入れた醤油風味の寒天寄せで、口当たりの良さと美しい見た目が特徴。寒天を煮溶かし醤油・みりんで味付け、火を止めてから糸を引くように卵を流し込み冷やして固める。主に富山県東部で「べっこう」、西部では和菓子のゆべしに似ることから「ゆべし」と呼ばれる。東部は甘さが際立ちおやつとして、西部は甘さを抑えておかずとして食べられる。正月やお祭り、お祝い事やお盆・仏事など大勢が集まる節目の日に、おもてなし料理として欠かせない。近年は野菜や素麺、カニなどを加えたアレンジも生まれ、家庭ごとのバリエーションが広がっている。
由来・歴史
あめ色の寒天に卵がむら雲のように散らばる姿が、べっ甲のかんざしに見えることから「べっこう」と命名された。主に県東部でこの名で呼ばれる一方、南砺市など県西部では和菓子のゆべしに似ていることから「ゆべし」と呼称する地域もある。昔は卵が贅沢品であったため、特別な日のご馳走として愛され、お祝い事や仏事など節目の時に作られる定番料理として定着した。
食べ方
棒寒天を30分水に浸し、ちぎってよく絞った後、鍋で弱火にかけて煮溶かす。醤油やみりんで味付けし、火を止めてから溶き卵を糸を引くように流し込み、型に入れて冷やして固める。正月やお祭り、お祝いごと、お盆や仏事など大勢が集まるハレの日に、おもてなし料理として作られる。仏事の際には湯葉や豆腐、ゴマを入れる地域もある。
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産地
富山県の名物

ぶり大根
「ぶり起こし」と呼ばれる嵐の後に最盛期を迎える富山湾の寒ブリ。脂がのった身と大根をじっくり煮込み、一晩置くとさらに味が染み込む。縁起の良い「出世魚」として正月の食卓にも並ぶ。

かぶらずし
武士しか食べられなかったブリを、農民がかぶに隠して食べたのが始まりともいわれる発酵寿司。富山県西部に脈々と伝わる冬のご馳走で、正月のハレの日に欠かせない味である。

いとこ煮/にざい
親鸞聖人の命日に供される浄土真宗の法要料理。小豆と根菜を煮込む「いとこ煮」は、いとこのように近しい食材が集まることから名付けられたともいわれる。

酢ずき
里芋の葉柄を酢漬けにした富山の伝統的な酢の物。赤ずいきの鮮やかな発色が美しく、産後の女性に食べさせる風習も残る。シャキシャキとした歯ごたえが夏の食卓を彩る。

つぼ煮
立山信仰の宿坊で振る舞われた精進料理が、朱塗りの「つぼ椀」に盛られたことで名付けられた。春に摘んだ山菜くごみを干して保存し、一年中味わえる具だくさんの煮物である。

三日の団子汁
赤ちゃんを産んだ母親が産後三日目に食べる、上新粉の団子入り味噌汁。母乳がよく出るようにと、ずいきや野菜を入れて栄養をつける伝統的な料理である。