
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
筍のアラメ煮は、タケノコとアラメ(昆布の一種)、切り干し大根を煮合わせた煮物である。アラメのうまみとタケノコの淡白な味わいが調和し、昆布特有の粘り気が特徴的な味付けとなる。主に吉田町、牧之原市、焼津市などの中部地域と西部地域に伝わり、かつては海岸に流れ着く海藻を利用する海と山の恵みに恵まれた土地柄が反映されている。タケノコとアラメの旬を迎える春に、家庭の食卓や学校給食で多く作られ、春の訪れを告げる季節料理として親しまれてきた。薩摩揚げやしらす干しを加えるなど、家庭ごとにアレンジが見られ、現在も伝統的な味を保ちながら現代の食生活に根付いている。
由来・歴史
筍のアラメ煮は、中部地域を中心とした静岡県の郷土料理である。アラメとは昆布の一種で、かつて中部地域の海岸には春になると様々な海藻が流れつき、地元の人々がこれを採取して料理に活用していた。しかし約40年前からアラメの収穫量が減少し、この付近の海では収穫できなくなった。それでも他地域で水揚げされたアラメを使い、タケノコと共に煮るアラメ煮は、現在も春を告げる料理として受け継がれている。
食べ方
アラメを水で洗って戻し、切り干し大根も水またはぬるま湯で戻してから調理する。タケノコとアラメを食べやすい大きさに切り、鍋の煮汁を煮立たせて切り干し大根とタケノコを先に煮る。煮えたら一度取り出し、アラメを煮てから材料を戻しひと煮立ちさせる。薩摩揚げやしらす干しを加える家庭もあり、タケノコとアラメの旬である春に多く作られている。
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産地
煮物の名物

イルカの味噌煮
縄文時代から続く伊豆の伝統漁が生んだ、ごぼうと味噌で煮込む野性味あふれる郷土料理。鮮魚店で皿盛りされていたイルカ肉は、冬の日常食として家庭の味噌煮に変わった。

ばいの煮もの
「めでたいことが倍になる」という縁起の良い語呂から、お祝いの席に欠かせない富山の名物料理。殻ごと煮上げることで、バイ貝の旨みを存分に味わえる。

いかと里いもの煮もの
富山湾の鮮度抜群スルメイカと、江戸時代から続く伝統野菜サトイモを煮込む冬の定番。プリッとした食感とねっとりとしたやわらかさの対比が魅力の、ご飯にも酒にも合う家庭的な味わいである。

金目の煮付け
伊豆半島の高級魚・地金目鯛を丸ごと甘辛く煮詰めた逸品。1本釣りで水揚げされる稲取キンメは脂の乗りが絶品で、ハレの日には姿煮で振る舞われる。

ワカサギの甘露煮
水あめで照りを出した甘辛い味付けが特徴。大正7年に霞ヶ浦から移植されたワカサギは、芦ノ湖の澄んだ水で100年以上も育まれ、正月の定番保存食として親しまれてきた。

田にしの味噌煮
春の飯山観音花祭りで「タニシ町」と呼ばれるほどの賑わいを見せた、甘辛味噌に煮込んだ田にしの郷土料理。かつては農家の日常食として親しまれた。
静岡県の名物

落花生なます
炒った落花生をすりつぶして加えることで、酢の物が苦手な人にも食べやすいまろやかな味わいに。静岡県東部の正月の定番「紅白なます」は、落花生のこくがあとをひく郷土の知恵である。

折戸なすの田楽
「一富士、二鷹、三茄子」の縁起物として徳川家康も愛した、濃厚な甘みが特徴の在来種茄子を田楽で味わう。明治以降途絶えたが、平成17年に種子から復活を遂げた貴重な郷土料理である。

生しらす丼
鮮度が命の「生しらす」は、漁獲直後の朝しか味わえない贅沢。駿河湾の豊かな恵みをそのまま丼にした、静岡が誇る海の宝石である。

がわ
味噌を溶かす際の「ガワガワ」という音が名前の由来。漁師が船上で作った冷やし味噌汁が、御前崎の夏の食卓を彩る名物となった。

切り干しいも
江戸時代、薩摩の遭難船を救った御前崎の大澤権右衛門がサツマイモをもたらしたことが発祥。天日で干す「煮切り干し法」が生み出した、甘さとやわらかさが際立つ保存食である。

安倍川もち
徳川家康が命名したという伝説もある、静岡を代表する餅菓子。安倍川橋のたもとには200年の老舗も軒を連ね、今も旅人を出迎える。