
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
金目鯛を醤油・酒・砂糖で甘く煮詰めた煮付けは、身が締まり脂の旨味が凝縮する。主な伝承地域は下田市と東伊豆町の稲取で、下田港は金目鯛水揚げ日本一の漁港であり、稲取漁港ではブランド魚「稲取キンメ」が1本釣りで水揚げされる。10月から3月下旬の旬の時季に、家庭の食卓や飲食店で親しまれる。ハレの日には切り身ではなく姿煮で大皿に盛り付けられ、近年は刺身・煮付け以外のメニューも開発されている。
由来・歴史
伊豆半島は古くから金目鯛の産地であり、地金目鯛(ジキンメ・稲取キンメ)、島キンメ、沖キンメの3種が捕れる。地金目鯛が最上級とされ、稲取漁港で水揚げされるものは「稲取キンメ」としてブランド化された。しかし1本釣りによる水揚げ量の激減から、現在は入手困難な高級魚となっている。
食べ方
ウロコ・エラ・ワタを取り除いた金目鯛を3枚におろし、5〜7等分の切り身にする。酒・砂糖・醤油のたれを強火で沸騰させ、金目鯛と薄切りショウガを入れて落とし蓋をする。10分ほど煮詰め、切り身にツヤが出たら完成する。10月から3月下旬の脂が乗った旬に、家庭や飲食店で食べられる。ハレの日には姿煮で大皿に盛り付けて提供される。
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産地
煮物の名物

筍のアラメ煮
かつて海岸に流れ着いた海藻を使った春の味。アラメの水揚げが途絶えても、他地域のものを使い今も食卓に並ぶ、静岡中部の知る人ぞ知る郷土料理。

イルカの味噌煮
縄文時代から続く伊豆の伝統漁が生んだ、ごぼうと味噌で煮込む野性味あふれる郷土料理。鮮魚店で皿盛りされていたイルカ肉は、冬の日常食として家庭の味噌煮に変わった。

ばいの煮もの
「めでたいことが倍になる」という縁起の良い語呂から、お祝いの席に欠かせない富山の名物料理。殻ごと煮上げることで、バイ貝の旨みを存分に味わえる。

ワカサギの甘露煮
水あめで照りを出した甘辛い味付けが特徴。大正7年に霞ヶ浦から移植されたワカサギは、芦ノ湖の澄んだ水で100年以上も育まれ、正月の定番保存食として親しまれてきた。

田にしの味噌煮
春の飯山観音花祭りで「タニシ町」と呼ばれるほどの賑わいを見せた、甘辛味噌に煮込んだ田にしの郷土料理。かつては農家の日常食として親しまれた。

お雑煮
武士の言葉遊びから生まれた角餅が特徴。元禄年間に野田・銚子の醤油文化と出合い、江戸っ子好みの濃口すまし汁が確立された正月の主役料理である。
静岡県の名物

安倍川もち
徳川家康が命名したという伝説もある、静岡を代表する餅菓子。安倍川橋のたもとには200年の老舗も軒を連ね、今も旅人を出迎える。

切り干しいも
江戸時代、薩摩の遭難船を救った御前崎の大澤権右衛門がサツマイモをもたらしたことが発祥。天日で干す「煮切り干し法」が生み出した、甘さとやわらかさが際立つ保存食である。

がわ
味噌を溶かす際の「ガワガワ」という音が名前の由来。漁師が船上で作った冷やし味噌汁が、御前崎の夏の食卓を彩る名物となった。

静岡おでん
駄菓子屋で1本から買える独特の食文化。黒いだしに青のりとだし粉を振りかける静岡おでんは、子どものおやつとして親しまれてきた。

金山寺味噌
調味料ではなくそのまま食べる「なめ味噌」の一種で、夏野菜を冬まで保存するため寺で生まれた発酵食品。お茶漬けや酒の肴として親しまれ、静岡県各地で作られている。

おざく
「ざくざく切る」という名前の由来が示す通り、野菜を大雑把に切って煮込む静岡の郷土料理。結婚式や葬式、祭りなど人が集まる場で隣近所が畑の野菜を持ち寄って作った、コミュニティの絆を体現する汁物である。