
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
黒はんぺん、牛すじ、大根、こんにゃく、卵などを串に刺し、色の黒い濃厚なだし汁でじっくり煮込む鍋料理である。静岡市を中心とした駿河湾沿岸の地域で伝承され、豊富な魚介類を使った練り製品や、戦後に活用されるようになった牛すじ・豚モツが特徴的な具材となった。家庭での食事はもちろん、惣菜屋や駄菓子屋で1本単位で購入できるため、子どものおやつ代わりに気軽に食べられてきた。現代でも静岡市内の飲食店や屋台で広く親しまれ、家庭ごとにだしの濃さや具材の組み合わせに違いが見られる。
由来・歴史
静岡おでんの起源は大正時代に遡る。第二次大戦後、廃棄されていた牛すじや豚モツを具材としたところ人気が高まり、駿河湾で水揚げされる魚介類を使った黒はんぺんなどの練り製品も加わって現在の形へ発展した。市内の駄菓子屋で売られるようになり、子どもの頃から親しむ食文化として定着した。
食べ方
深鍋にだし汁を作り、串刺しの具材と下ごしらえ済みの牛すじを煮汁ごと加える。砂糖、みりん、しょうゆ、酒、塩で味付けし、弱火で2〜3時間煮込む。出来上がったおでんに青のりと魚のだし粉を振りかけ、からしを添えて食べる。家庭での食事のほか、惣菜屋や駄菓子屋で1本から購入でき、年中気軽に食べられている。
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産地
静岡県の名物

金目の煮付け
伊豆半島の高級魚・地金目鯛を丸ごと甘辛く煮詰めた逸品。1本釣りで水揚げされる稲取キンメは脂の乗りが絶品で、ハレの日には姿煮で振る舞われる。

安倍川もち
徳川家康が命名したという伝説もある、静岡を代表する餅菓子。安倍川橋のたもとには200年の老舗も軒を連ね、今も旅人を出迎える。

切り干しいも
江戸時代、薩摩の遭難船を救った御前崎の大澤権右衛門がサツマイモをもたらしたことが発祥。天日で干す「煮切り干し法」が生み出した、甘さとやわらかさが際立つ保存食である。

金山寺味噌
調味料ではなくそのまま食べる「なめ味噌」の一種で、夏野菜を冬まで保存するため寺で生まれた発酵食品。お茶漬けや酒の肴として親しまれ、静岡県各地で作られている。

おざく
「ざくざく切る」という名前の由来が示す通り、野菜を大雑把に切って煮込む静岡の郷土料理。結婚式や葬式、祭りなど人が集まる場で隣近所が畑の野菜を持ち寄って作った、コミュニティの絆を体現する汁物である。

沖あがり
「沖から上がった」漁師が漁の反省会で味わった鍋料理。駿河湾産の生桜エビを豆腐・葉ねぎとすき焼き風に煮込み、酒の肴として親しまれた漁師めしである。