
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
群馬のうどんは、幅が10cmを超える「ひもかわ」、つやとコシが自慢の「水沢うどん」、邑楽館林産「百年小麦」を使う「館林のうどん」など、地域の気候と特色を活かした個性豊かなラインナップを誇る。桐生市・渋川市・館林市を中心に、小麦栽培が盛んな関東平野の内陸部で育まれた粉食文化の結晶である。日常の家庭食として親しまれる一方、観光グルメや贈答品としても定着しており、お中元・お歳暮の時季には化粧箱入りの商品が好まれる。各家庭でアレンジが加えられることは少なく、むしろ店舗や製麺所ごとの技法・配合の違いがブランド化され、2019年の全国ご当地うどんサミットでは館林のうどんがグランプリを受賞するなど、現代でも進化を続ける名物群である。
由来・歴史
群馬は古くから粉食文化が根づき、うどんが主食として親しまれてきた。桐生市の「ひもかわ」はその名の通り紐のように幅広い麺が特徴で、水沢うどんは秋田の稲庭、香川の讃岐と並ぶ「日本三大うどん」の一つに数えられる。館林のうどんは地元産「百年小麦」のブランド化により、2019年の全国ご当地うどんサミットでグランプリを獲得し、全国的な知名度を獲得した。
食べ方
ひもかわはつゆに浸して食べるほか、醤油ベースのだし汁で煮込んだものやカレーうどんなどのアレンジも楽しまれる。水沢うどんはつやとコシを堪能するため基本的にざるで提供される。館林のうどんは釜玉うどんが名物で、瑞々しい麺の旨みをシンプルに味わう。観光目的で通年食べられるほか、お中元・お歳暮の贈答品としても重宝される。
オンラインで買う
ふるさと納税で取り寄せる
産地
うどんの名物

埼玉のうどん
全国2位の生産量を誇る「うどん王国」埼玉。かつてはどの地域でも単に「うどん」と呼ばれていたが、北東部の喉ごしの良い麺、西部の茶色がかったつけ汁麺、中央部の幅広麺など、20種類以上のバリエーションが存在する。

のしこみうどん
「のしこみ」の名は打ち伸ばした幅広麺に由来し、奥多摩の厳しい冬に山仕事帰りの体を温めた鍋物。煮干しと椎茸のだしに野菜の甘みが染み込む。

にごみうどん
「濁る」からか「煮込み」がなまったのか、名前の由来は諸説ある相模原・津久井の郷土麺。稲作に不向きな土地で小麦栽培が盛んな背景から、昭和40年代までは毎日のように食された。

ちたけうどん(そば)
盆の時期に採れる「ちちたけ(乳茸)」を使った、平地林が広がる栃木県平野部ならではのうどんだ。香り高きのことなすの相性が抜群で、かつては里山で多く採れたが、現在は貴重な味となっている。

耳うどん
耳の形に似たうどんを手に持ち、「いい耳聞け」と祈る風習がある。佐野市葛生地区と宇都宮市に伝わる縁起物の郷土料理で、正月の来客に振舞われてきた。

きつねうどん
明治26年、大阪・船場のうどん店で客が油揚げを素うどんにのせたことが始まり。昆布と鯖節のだしが利いた、大阪府民が最も愛するコナモンの定番である。
群馬県の名物

こんにゃくの白和え
群馬の特産・こんにゃく芋を使った白和えは、精進料理として発展し、冠婚葬祭で色使いのルールが設けられるほど地域に深く根付いた。下仁田町の穏やかな気候が育むこんにゃくの食感が特徴である。

すみつかれ
正月の鮭の頭と節分の豆、食べ頃を過ぎた大根を煮込む「すみつかれ」。江戸時代から初午の日に稲荷神社へ供え、無病息災を願う北関東の行事食である。

ざく煮
婚礼の膳に供され、夫婦が「水と油にならぬように」と油を使わないという願いが込められた群馬の縁起汁。するめをだしにした独特の風味が特徴である。

上州きんぴら
ごぼうを太く切るのは上毛三山をイメージしたもの。1983年「あかぎ国体」で誕生した群馬の新しい郷土料理で、豚肉と特産野菜の旨味が詰まった甘辛炒め煮である。

おきりこみ/おっきりこみ
麺の生地を麺棒に巻いて包丁で「切り込み」入れることから名付けられた群馬の粉食文化の代表。無塩で下ゆでなしの幅広麺を野菜と煮込む独特の製法は、全国でも類を見ない。

花いんげんの煮豆
標高900m以上の冷涼な高地でしか育たない「高原花豆」を、乾燥させてからやわらかく煮込んだ吾妻地域の定番保存食。おせちや神棚への供え物としても重宝されてきた。