
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
幅広めの麺を煮干しと椎茸のだしでグツグツと煮込む鍋物で、コシのある打ち立て麺とネギ・油揚げ・人参など季節の具材が特徴。東京都奥多摩地域は江戸時代より幕府直轄の山岳地帯で水田に不向きなため小麦栽培が盛ん、粉食文化が根付いた。晩秋から冬の厳しい寒さの中、山仕事を終えた男性が空腹で帰宅する時間帯に手早く温かい食事を提供するため各家庭で作られてきた。具材は家々で異なり、昭和50年頃までは猟獣肉や鶏肉を入れることもあった。現在も奥多摩流として親しまれ、幅広麺を鍋からずるずるとすする食べ方が伝わる。
由来・歴史
名称はうどんを打った後に伸ばし広げる工程「伸す(のす)」に由来し、鍋から麺を引きずり出す様子から「ずりだしうどん」と呼ぶ地域もある。江戸時代、奥多摩町は幕府直轄領の急峻な山間部で、麦作を中心とする粉文化が定着。寒い山仕事の後に迅速に提供できる食事として発展し、山梨県のほうとうに類似する幅広麺の文化が形成された。
食べ方
煮干しと椎茸でだしを取り、酒・醤油・塩で味付けした鍋に、打ち立ての幅広麺と季節の野菜を入れて煮込む。熱々の状態で鍋から直接すするのが奥多摩流。秋から冬の寒い日に頻繁に食され、かつては獣肉や鶏肉を加えることもあった。
オンラインで買う
ふるさと納税で取り寄せる
産地
うどんの名物

にごみうどん
「濁る」からか「煮込み」がなまったのか、名前の由来は諸説ある相模原・津久井の郷土麺。稲作に不向きな土地で小麦栽培が盛んな背景から、昭和40年代までは毎日のように食された。

きつねうどん
明治26年、大阪・船場のうどん店で客が油揚げを素うどんにのせたことが始まり。昆布と鯖節のだしが利いた、大阪府民が最も愛するコナモンの定番である。

ホルモンうどん
牛馬の流通拠点・津山が誇る「養生喰い」の伝統が生んだ名物。処理から10分で食卓に届く新鮮ホルモンを、味噌や醤油のたれで炒めたB級グルメの傑作である。

埼玉のうどん
全国2位の生産量を誇る「うどん王国」埼玉。かつてはどの地域でも単に「うどん」と呼ばれていたが、北東部の喉ごしの良い麺、西部の茶色がかったつけ汁麺、中央部の幅広麺など、20種類以上のバリエーションが存在する。

群馬のうどん
幅10cm超の「ひもかわ」、日本三大に数えられる「水沢うどん」、地元産小麦の「館林のうどん」——粉食文化が根づく群馬が誇る三種の個性派うどんが、観光グルメとして県内外を魅了する。

ちたけうどん(そば)
盆の時期に採れる「ちちたけ(乳茸)」を使った、平地林が広がる栃木県平野部ならではのうどんだ。香り高きのことなすの相性が抜群で、かつては里山で多く採れたが、現在は貴重な味となっている。
東京都の名物

すき焼き
「鋤」を鉄板代わりにした農具焼きが語源とされ、明治の牛鍋ブームを経て関東大震災後に東京で定着した。溶き卵をつけて食べる豪快な鍋料理は、文明開化の味を今に伝える。

穴子寿司
「おいしい鮨屋はあなごでわかる」と言われる江戸前ずしの定番。東京湾の栄養豊かな海で育った穴子を、職人がぬめりを取り除き丁寧に煮上げる技が光る。

島ずし
江戸前の「ヅケ」技法のルーツともいわれる、伊豆諸島の島ずし。ワサビの代わりに練りがらしや島唐辛子の「島とう醤油」を使う独特の食文化が、各島で独自に発展した。

おくたまワサビのTOKYO-X巻き
すりおろすのが常識だった奥多摩わさびを刻んで豚肉と巻き焼くという発想の転換が生んだ、2011年のコンクール最優秀賞受賞メニュー。鼻に抜ける辛さとジューシーな肉の旨味が絶妙に調和する。

治助芋のネギ味噌
100年以上続く奥多摩の名産「治助芋」は、山梨から嫁入りした女性が持参した芋を治助さんが広めたことに由来する。濃厚な味わいの蒸し芋にネギ味噌を添える素朴な郷土料理である。

かんぴょう巻き
江戸前ずしの定番「かんぴょう巻き」は、元々「のり巻」と呼ばれた細巻きの原点。芯の具が「くたっと」しないよう巻き上げる職人技が特徴である。