
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
ずいきの酢漬けは、里芋の一種である八つ頭の葉柄をゆでて酢・砂糖・塩の調味液に漬けた酸味の効いた料理である。表面に含まれる紫色のアントシアニンが酢と反応し、鮮やかな色に染まるのが特徴である。主な伝承地域は新潟県の信濃川流域や水田地域で、長岡野菜・上越野菜・柏崎野菜に指定されており、当地の夏の代表的な産物として位置づけられている。生の葉柄が収穫できる6月から9月にかけて多く作られ、暑い夏のさっぱりとした食事に適する。保存食としても機能し、漬け汁に火を入れてカビを防げば3ヶ月ほど日持ちするため、お正月にも食される。現代では酢漬けのほか、干して雑煮や汁物・煮物にする食べ方も残り、家庭ごとに調味液の配合や漬け込み時間の違いが見られる。
由来・歴史
ずいきは全国的に広く栽培されてきた夏野菜であるが、新潟県では信濃川流域や水田地域で特に多く作られ、古くから親しまれてきた。酢漬けにすることで長期保存が可能となり、保存食としての機能も担った。鮮やかな紅色に染まる特徴から、季節感を演出する料理としてお正月にも用いられるようになった。
食べ方
生のずいきはアクが強く皮をむくと手が黒くなるため、水に浸してアクを抜いてから調理する。ゆでる際はお湯に少量の酢を加える方法もある。酢・砂糖・塩を合わせた調味液を煮立てて冷まし、そこに熱いうちにゆでたずいきを漬け込む。漬け汁に火を通してカビを防げば3ヶ月ほど保存でき、夏の酢の物としてはもとより、干したずいきを雑煮や汁物・煮物にしてお正月などにも食べられる。
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産地
漬物の名物

雪菜のふすべ漬け
「ふすべ(る)」は山形の方言で「さっと湯通しする」こと。雪の中で育つ珍しい軟白野菜「雪菜」を、たった3〜5秒の湯通しを3回繰り返して漬け込むと、独特の辛味が引き出される。密封して3日寝かせるのが美味しさの秘訣である。

野菜の漬物
本居宣長が「香の物」として愛した「松阪赤菜」や、300年前に蒲生氏郷が近江から伝えたとされる歴史を持つ。三重県内には日野菜漬け、伊勢たくあん、白瓜の鉄砲漬けなど、各地域の風土が生んだ多種多様な野菜の漬物が存在する。

わかさぎとれんこんの酢漬け
霞ヶ浦の名物ワカサギと日本一の産地・土浦のれんこんを、甘酢に漬け込んだ爽やかな郷土料理。骨まで食べられる小魚とシャキシャキの根菜が、漁師町の食文化を今に伝える。

瓜の鉄砲漬
砲筒のような瓜に「火薬」見立ての青唐辛子を詰めた成田名物。成田山新勝寺のお土産として知られ、店ごとの味比べが通の楽しみ方である。

豆腐の味噌漬け
800年前の平家落ち武者が伝えたとされる保存食。半年間味噌に漬け込むとチーズのような風味に変化し、山間部の貴重なタンパク源として親しまれた。

トキシラズ/トキ鮭の焼漬け
「時期を知らずにとれる魚」が名前の由来。アムール川生まれの希少な春サケを、脂がのった若いうちに焼いて漬けた北海道の初夏のごちそうである。
新潟県の名物

ぜんまいの煮物
「山菜の王様」と称されるぜんまいは、綿毛を取り2〜3日かけて揉み込む手間をかけて乾燥させる。縁起を担いでお正月に「一本煮」として供されることもある新潟の冬の保存食である。

タレかつ丼
卵とじをせず、甘辛い醤油だれにくぐらせた揚げたてカツをごはんにのせる新潟発祥の丼。1丼にカツが2枚以上という豪快さが特徴で、市民のソウルフードとして定着している。

竹の子汁
サバ缶が入るのが新潟流。「姫たけのこ」は千島笹の若芽で、採れるのは初夏の一時期のみ。山深い上越地方で、貴重な旬を味噌汁で味わう。

しょうゆおこわ
新潟県長岡市で「赤飯」と呼ばれるのは、醤油で色付けした茶色のおこわ。全国的な赤飯のイメージを覆す、地元だけの独特な食文化が息づく。

笹寿司
戦国時代に上杉謙信の兵士が器代わりに使ったという伝承を持つ、笹の葉に酢飯と具を盛り付けた上越地方の名物。2014年には「糸魚川 七夕は笹ずしの日」として記念日登録された。

笹団子
戦国時代に上杉謙信が携行食とした保存食が、米俵に似た俵形の和菓子へ。笹の殺菌作用を活かした新潟の銘菓である。