
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
雪菜のふすべ漬けは、山形県置賜地域のブランド野菜「雪菜」を塩だけで漬け込んだシンプルな漬物である。雪の中で育つ軟白野菜の花茎を、熱湯に3〜5秒浸す「ふすべ」という湯通しを3回繰り返した後、冷水で冷まして塩漬けにする。主な産地は米沢市の上長井地区(笹野、古志田、遠山)で、雪深い奥羽山脈の気候を活かした「床寄せ」という伝統的な越冬栽培が行われている。正月ごろから3月中旬ごろまでの寒い時期に食卓に並び、ごはんのおかずや酒の肴として親しまれてきた。家庭ごとに湯通しの時間や塩加減に差があり、辛味の出方も異なるが、現代では「山形おきたま伝統野菜」としてブランド化され、地元の食文化を代表する存在となっている。
由来・歴史
雪菜は越後から伝えられた長岡菜との自然交雑から選抜育成されたものとされ、雪国での生鮮野菜確保のために上杉鷹山公が栽培を奨励したと伝わる。かつては「かぶのとう」と呼ばれていたが、1930年(昭和5年)に改良・奨励を機に「雪菜」と命名された。「ふすべ」という名前は、さっと湯通しするという山形の方言に由来する。
食べ方
雪菜を熱湯に3〜5秒浸す「ふすべ」を3回繰り返し、冷水で粗熱を取った後、塩を加えて厚手のポリ袋などで密封する。1〜2日では辛味が出ず、3日寝かせることでイソチオシアネートという独特の辛味成分が生まれる。揮発性のため、密封から取り出したら早めに食べるのが良い。冬の正月ごろから3月中旬ごろにかけて、ごはんのおかずや酒の肴として食べられる。
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産地
漬物の名物

ずいきの酢漬け
里芋の一種「八つ頭」の葉柄を酢に漬けた新潟の夏の郷土料理。アントシアニンが酸と反応し、鮮やかな紅色に染まる見た目の美しさから、お正月の食卓にも並ぶ保存食として親しまれてきた。

野菜の漬物
本居宣長が「香の物」として愛した「松阪赤菜」や、300年前に蒲生氏郷が近江から伝えたとされる歴史を持つ。三重県内には日野菜漬け、伊勢たくあん、白瓜の鉄砲漬けなど、各地域の風土が生んだ多種多様な野菜の漬物が存在する。

わかさぎとれんこんの酢漬け
霞ヶ浦の名物ワカサギと日本一の産地・土浦のれんこんを、甘酢に漬け込んだ爽やかな郷土料理。骨まで食べられる小魚とシャキシャキの根菜が、漁師町の食文化を今に伝える。

瓜の鉄砲漬
砲筒のような瓜に「火薬」見立ての青唐辛子を詰めた成田名物。成田山新勝寺のお土産として知られ、店ごとの味比べが通の楽しみ方である。

豆腐の味噌漬け
800年前の平家落ち武者が伝えたとされる保存食。半年間味噌に漬け込むとチーズのような風味に変化し、山間部の貴重なタンパク源として親しまれた。

トキシラズ/トキ鮭の焼漬け
「時期を知らずにとれる魚」が名前の由来。アムール川生まれの希少な春サケを、脂がのった若いうちに焼いて漬けた北海道の初夏のごちそうである。
山形県の名物

わらびたたき
「トントン、トントン」という包丁の音が春の訪れを告げた山形の郷土料理。わらびを叩いて繊維を断ち切り、トロトロの食感に仕上げる独特の調理法が特徴である。

うこぎの切り和え
「きどい」という方言で表される独特の風味が魅力。米沢藩主・上杉鷹山公が垣根として推奨したうこぎは、防犯と食糧の両面で重宝され、春から秋まで長く味わえる山形置賜の旬の味。

うどと凍み大根のどんころ煮
「どんころ」とは丸太のこと。うどを切った断面が丸太に似ていることから名付けられた、海の幸・山の幸が調和する山形の春の味。凍み大根と身欠きニシンをじっくり煮込む郷土料理である。

遠山かぶの粕汁
「ぶっかく」と呼ばれる独特の切り方で小さく刻んだ遠山かぶを、前日から煮込んだ粕汁は、雪深い米沢の冬を代表する滋味深い郷土料理である。

玉こんにゃく
山形県民のソウルフード「玉こん」は、平安時代に慈覚大師が中国から持ち帰ったこんにゃくが起源。1015段の階段を登る「山寺」参拝客に「力こんにゃく」として親しまれてきた球状の郷土料理である。

卵寒天/醤油寒天
貴重だった卵と寒天が結びついた山形県庄内の祝い菓子。甘じょっぱい醤油味で冷やして固め、祭りや正月に親しまれてきた。