
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
遠山かぶと打ち豆を味噌汁仕立てにし、仕上げに酒粕を加えたまろやかな汁物である。遠山かぶは米沢市遠山地区の伝統野菜で、一般のかぶより風味と甘みが強く肉質がかたいため煮崩れしにくい。打ち豆は大豆を木づちで打って平たくした雪深い米沢市ならではの保存食である。収穫期の10月末から11月初旬に遠山かぶを収穫し、寒い冬に食べるのが定番で、ひと昔前は大豆の収穫時期に家々の軒先で打ち豆をつくる習慣があった。かたい遠山かぶは「ぶっかく」と呼ばれる独特の切り方が必要で、加熱にも時間がかかるため前日の晩につくり翌朝あたため直すのが一番美味しいとされ、家庭ごとに酒粕の量を好みで調整する。現在は「山形おきたま伝統野菜」として認定され、地元の生産組合が種の保存と普及に取り組んでいる。
由来・歴史
遠山かぶは米沢市を発祥とする山形県の伝統野菜で、名前は米沢市遠山地区に由来する。慶長5年(1600年)に上杉家が米沢市に入封した際に持参した野菜とされ、1800年ごろに上杉鷹山公が「だいこんは東の梓山に、かぶは西山につくり、秋かぶは遠山に」とのお触れを出したことで遠山での栽培が本格化した。白くて丸い品種は遠山かぶのみで、一時は衰退の危機にあったが最後の種を持つ生産者を有志が見つけ出し、現在は地元の生産組合が種を守っている。
食べ方
遠山かぶは肉質がかたいため、包丁の角で「ぶっかく」と呼ばれるひっかくようにして小さく切る。加熱にも時間がかかり味が染みにくいため、前日の晩につくり翌朝あたため直し、少し煮崩れた状態が一番美味しいとされる。打ち豆とともに味噌汁仕立てにし、仕上げに酒粕を加えてまろやかに仕上げ、酒粕の量は好みで調整する。収穫期の10月末から11月初旬に収穫した遠山かぶを使い、寒い冬に食べるのが定番である。
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産地
汁物の名物

つぼん汁
「壺の汁」が訛って「つぼん汁」となった、熊本県人吉球磨の祝い料理。秋祭りの会席膳から発展し、具材は7種類や9種類の奇数でそろえるのが慣わしである。

つがに汁
生きたまま石臼で挽くという衝撃の調理法。四万十川のモクズガニを丸ごと粉砕し、濃厚な出汁を搾り取る高知の伝統汁物である。

打ち込み汁
打ち立ての麺を別ゆでせずそのまま鍋に「打ち込む」様子から名付けられた、香川の農村冬の日常食。手早く作れる素朴な汁物で、麺の太さはその日の手づくり次第。

とうがん汁
「冬瓜」と名付けられた由来は、皮が厚く日持ちが良く冬までもつことから。夏が旬の愛知県の名物汁物で、水分補給にも重宝される。

てっぽう汁
箸でカニの足をつつく仕草が鉄砲に弾を込めるように見えたことから名付けられた、根室発祥の漁師汁。花咲ガニの濃厚な出汁が決め手の味噌汁は、かつて夏から秋の漁期に漁師たちが海で作って食べた手軽な一品である。

鱈のじゃっぱ汁
「じゃっぱ」は津軽の方言で「捨てるもの」を意味し、本来は廃棄されるタラのアラを丸ごと煮込んだ豪快な汁物。雪道で丸ごと引きずった大きなタラの頭や骨から、漁師たちの体を芯から温めた正月の味である。
山形県の名物

うどと凍み大根のどんころ煮
「どんころ」とは丸太のこと。うどを切った断面が丸太に似ていることから名付けられた、海の幸・山の幸が調和する山形の春の味。凍み大根と身欠きニシンをじっくり煮込む郷土料理である。

うこぎの切り和え
「きどい」という方言で表される独特の風味が魅力。米沢藩主・上杉鷹山公が垣根として推奨したうこぎは、防犯と食糧の両面で重宝され、春から秋まで長く味わえる山形置賜の旬の味。

わらびたたき
「トントン、トントン」という包丁の音が春の訪れを告げた山形の郷土料理。わらびを叩いて繊維を断ち切り、トロトロの食感に仕上げる独特の調理法が特徴である。

玉こんにゃく
山形県民のソウルフード「玉こん」は、平安時代に慈覚大師が中国から持ち帰ったこんにゃくが起源。1015段の階段を登る「山寺」参拝客に「力こんにゃく」として親しまれてきた球状の郷土料理である。

卵寒天/醤油寒天
貴重だった卵と寒天が結びついた山形県庄内の祝い菓子。甘じょっぱい醤油味で冷やして固め、祭りや正月に親しまれてきた。

しょうゆの実
「あまびしょ」「あまぴちょ」とも呼ばれる万能調味料。江戸時代から続く庄内地域の発酵食は、麹の量で甘みや塩気が変わり、つくり手ごとの個性が楽しめる。