
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
「つがに汁」は、モクズガニ(ツガニ)を生きたまま石臼やミキサーで粉砕し、その出汁をこして作る独特の汁物料理である。四万十川、仁淀川、物部川流域に伝わり、これらの河川で漁獲されるツガニを主食材とする。秋の産卵期にあたる8月1日から11月30日の解禁期間に食べられ、メスはオスより栄養を蓄えて美味とされる。近年は漁獲保護と手間のかかる調理法から家庭での製作は減少し、地元の飲食店や郷土料理イベントで味わう機会が多くなっている。
由来・歴史
ツガニは四万十川や仁淀川など高知県の主要河川に棲息するモクズガニであり、流域の食文化を形作ってきた。「つがに汁」のほか、甲羅とともに臼でついた出汁を使う「つがにそうめん」、甲羅ごと米と炊く「つがにめし」など、ツガニを使った料理が多数発達した。これらは高知県を代表する郷土料理群を構成している。
食べ方
甲羅とふんどしを外したツガニを石臼で挽き(ミキサー可)、ざるに入れて沸騰した鍋の中でこす。なすやりゅうきゅう(はすいもの茎)をアク抜きして投入し、醤油や酒で味付ける。火にかける前に醤油を入れてにごりを出す地域もある。独特の臭みが気になる場合はしょうがを加える。8月1日から11月30日の解禁期間に食べられ、産卵を控えた秋のメスが最も美味とされる。
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産地
汁物の名物

打ち込み汁
打ち立ての麺を別ゆでせずそのまま鍋に「打ち込む」様子から名付けられた、香川の農村冬の日常食。手早く作れる素朴な汁物で、麺の太さはその日の手づくり次第。

打ち豆汁
雪深い湖北地域で冬に欠かせない「打ち豆汁」。大豆を木づちで花型に潰して乾燥させた打ち豆を、かぶや里芋と共に煮込む味噌汁で、お寺の報恩講ではお講汁として振る舞われる。

夕顔のみそ汁
夕方に花を咲かせることから名付けられた夕顔は、富士北麓の夏を彩る伝統的な野菜。朝顔とは別種で、ひょうたんのような細長いナガユウガオが用いられ、味噌汁にするとトロンとした独特の食感が楽しめる。

つぼん汁
「壺の汁」が訛って「つぼん汁」となった、熊本県人吉球磨の祝い料理。秋祭りの会席膳から発展し、具材は7種類や9種類の奇数でそろえるのが慣わしである。

遠山かぶの粕汁
「ぶっかく」と呼ばれる独特の切り方で小さく刻んだ遠山かぶを、前日から煮込んだ粕汁は、雪深い米沢の冬を代表する滋味深い郷土料理である。

とうがん汁
「冬瓜」と名付けられた由来は、皮が厚く日持ちが良く冬までもつことから。夏が旬の愛知県の名物汁物で、水分補給にも重宝される。
高知県の名物

ぜんまいの炒め煮
繰り返しの天日干しと揉みほぐしで繊維を柔らかくする独特の製法が特徴。油との相性が良く、田植えの日の腹持ちの良い食事として農家に重用された保存食である。

豆腐の梅酢づけ
梅酢で染まる鮮やかなピンク色が特徴の保存食。津野山のかため豆腐を炭火で焼き、梅酢に漬け込むことで高級品としても取引された山間の知恵が詰まった郷土料理である。

田芋のころばし
ごまの上で田芋が転がる様子から「ころばし」と名付けられた甘辛煮。下ごしらえに手間がかかるため、昔は暇を見て作る贅沢な子どものおやつだった。

皿鉢料理
高知の「おきゃく」文化を象徴する、36〜39cmの大皿に山の幸・海の幸を贅沢に盛り付ける宴会料理。伊万里や九谷の高価な皿の枚数が、かつては家の格式を示した。

さばの姿ずし
背開きのサバに酢飯をぎっしり詰め、頭と尾を立てて豪快に盛り付ける「皿鉢料理」の定番。京都とは対照的に酢と塩をきかせた味わいが、ゴマサバの脂の少なさを引き立てる。

りゅうきゅうの酢の物
名前の由来は「琉球から伝わった」という説があるが諸説あり、定かではない。シャリシャリとした歯ざわりが特徴のハスイモの茎を、太刀魚やカジキマグロの柚子酢漬けと和えた高知県の夏の定番酢の物である。