
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
ぜんまいと油揚げを炒め、出汁と調味料で煮込んだ郷土料理である。乾燥ぜんまいは専用の大釜でゆでた後、むしろの上で天日干しと揉みほぐしを5〜6回繰り返す独特の製法で仕上げられる。この繰り返し作業により繊維が柔らかくなり、食感と風味が引き立つ。主な伝承地は四国山地中央部の大豊町で、標高200mから850mの急傾斜地に集落が点在し、山林が面積の80%以上を占める山間部である。収穫された乾燥ぜんまいは一度に出荷されるため、料理は普段から日常的に食べられ、大皿に総菜を盛り合わせた「皿鉢料理」の一品としても登場する。家庭ごとに味付けや具材に違いがあり、仕上げにごまを振るなどアレンジも加えられる。
由来・歴史
山村では古くから「ぜんまいの油炒め」や白和え、煮物などが食べられてきた。高知県内では大豊町が主要な産地で、ぜんまいはゆでて乾燥させると長期保存がきくため、重要な食材であった。昔は田植えの日の食卓によく登場し、油を使った料理は腹持ちが良いことから農家に重用された。
食べ方
乾燥ぜんまいは調理前に水で戻す。鍋に水を沸騰させ、乾燥ぜんまいを投入して火を弱め、10分ほどゆでたら火を止めて冷めるまで置く。半日から一日水にさらし、もどしたぜんまいと油揚げを炒め、出汁や調味料を加えて味が染み込むまでゆっくり煮る。仕上げにごまなどを振りかけて食べる。収穫された乾燥ぜんまいは一度に出荷されるため、普段から日常的に食べられ、大豊町の「皿鉢料理」にもよく登場する。
オンラインで買う
ふるさと納税で取り寄せる
産地
煮物の名物

ぜんまいの煮物
「山菜の王様」と称されるぜんまいは、綿毛を取り2〜3日かけて揉み込む手間をかけて乾燥させる。縁起を担いでお正月に「一本煮」として供されることもある新潟の冬の保存食である。

雑煮
「名を上げる」という縁起担ぎから生まれた、餅と餅菜だけの極めてシンプルな正月料理。尾張藩の質素倹約の精神や、将軍からの叱責説など、成り立ちには複数の伝承が残る。

雑煮
「株を上げる」縁起かつぎのかぶと、北前船が運んだ黒砂糖の二つの物語が交差する福井の正月の味。日常の汁椀に盛る素朴な雑煮は、昆布敷きの鍋で丸餅を味噌仕立てに煮込む。

ぜいたく煮
漬物をわざわざ煮物にする手間から「ぜいたく」の名がついた滋賀県の変わり種煮物。湖北の仏事に欠かせない定番として、各家庭が古漬けたくあんを常備してきた。

ゆずの皮煮
日田市の柚子は寒暖差が大きい土地で香り豊かに育つ。その皮を砂糖で煮詰めた「ゆずの皮煮」は、かつては大釜で薪炊きし、今もお節やお茶うけに欠かせない保存食である。

大和まなと薄揚げの煮もの
「古事記」に記載される「菘(すずな)」をルーツとする大和まなは、霜にあたると甘みが増す奈良の伝統野菜。薄揚げと煮含めた滋味深い家庭料理は、平成21年の品種改良で周年流通するようになった。
高知県の名物

つがに汁
生きたまま石臼で挽くという衝撃の調理法。四万十川のモクズガニを丸ごと粉砕し、濃厚な出汁を搾り取る高知の伝統汁物である。

豆腐の梅酢づけ
梅酢で染まる鮮やかなピンク色が特徴の保存食。津野山のかため豆腐を炭火で焼き、梅酢に漬け込むことで高級品としても取引された山間の知恵が詰まった郷土料理である。

田芋のころばし
ごまの上で田芋が転がる様子から「ころばし」と名付けられた甘辛煮。下ごしらえに手間がかかるため、昔は暇を見て作る贅沢な子どものおやつだった。

皿鉢料理
高知の「おきゃく」文化を象徴する、36〜39cmの大皿に山の幸・海の幸を贅沢に盛り付ける宴会料理。伊万里や九谷の高価な皿の枚数が、かつては家の格式を示した。

さばの姿ずし
背開きのサバに酢飯をぎっしり詰め、頭と尾を立てて豪快に盛り付ける「皿鉢料理」の定番。京都とは対照的に酢と塩をきかせた味わいが、ゴマサバの脂の少なさを引き立てる。

りゅうきゅうの酢の物
名前の由来は「琉球から伝わった」という説があるが諸説あり、定かではない。シャリシャリとした歯ざわりが特徴のハスイモの茎を、太刀魚やカジキマグロの柚子酢漬けと和えた高知県の夏の定番酢の物である。