
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
「ゆずの皮煮」は、柚子の厚めの皮を水でゆでこぼしして苦味を抜き、砂糖でじっくり煮詰めた甘煮である。照りが出るまで弱火で煮ることで、柚子本来の香りと甘みが凝縮される。主な伝承地域は日田市、玖珠町、竹田市で、特に日田市は昼夜の寒暖差が大きいため香り豊かな質の良い柚子がとれる。JAおおいた日田柚部会の約30haの栽培地で8月から11月にかけて出荷される柚子の皮を利用する。お節料理の一品やお茶うけとして食べられ、庭先で柚子を育てる一般家庭でも今も食習慣として根づいている。家庭によって砂糖の量や煮詰め具合が異なり、薄切りにしてほかの料理に使うなどアレンジも豊富である。
由来・歴史
大分県は柚子生産量で国内上位の産地で、県内各地に柚子の木が散見される。日田市を中心とした特産地では、果皮や果汁を料理に使う文化が発達した。かつては大釜を使い薪で炊いていたゆずの皮煮は、火の調整がしやすくじっくり煮ることができた。現在はガス火で弱火を意識しながら煮るが、保存がきくことからお節料理に用いられる伝統が続いている。
食べ方
厚めの柚子皮の表面を削り、2等分または4等分に切って水で2回ゆでこぼしし、苦味とえぐみを抜く。水気を切って砂糖をまぶししんならせたら、適量の水を入れて弱火でじっくり煮詰め、照りが出たら保存する。皮の重量の8割程度の砂糖が目安である。8月から11月の出荷期に作られ、比較的保存がきくためお節料理にも使われる。薄切りにしてほかの料理に添えたり、甘酒に浮かべたりするほか、冷凍保存する家庭もある。
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産地
煮物の名物

ぜいたく煮
漬物をわざわざ煮物にする手間から「ぜいたく」の名がついた滋賀県の変わり種煮物。湖北の仏事に欠かせない定番として、各家庭が古漬けたくあんを常備してきた。

ぜんまいの炒め煮
繰り返しの天日干しと揉みほぐしで繊維を柔らかくする独特の製法が特徴。油との相性が良く、田植えの日の腹持ちの良い食事として農家に重用された保存食である。

ぜんまいの煮物
「山菜の王様」と称されるぜんまいは、綿毛を取り2〜3日かけて揉み込む手間をかけて乾燥させる。縁起を担いでお正月に「一本煮」として供されることもある新潟の冬の保存食である。

大和まなと薄揚げの煮もの
「古事記」に記載される「菘(すずな)」をルーツとする大和まなは、霜にあたると甘みが増す奈良の伝統野菜。薄揚げと煮含めた滋味深い家庭料理は、平成21年の品種改良で周年流通するようになった。

大和の雑煮
餅を砂糖入りきな粉につけて食べる奈良の雑煮。豆腐は白壁の蔵、里芋の頭芋は「人の上に立つ」願いが込められ、具材一つひとつに縁起物の意味が宿る。

焼き鯖の煮付け
焼きサバをほぐして玉ねぎと甘めに煮込む、鳥取県東部の知恵が生んだ庶民の味。臭みを和らげ子どもも食べやすく、農繁期の簡単な魚料理として重宝された。
大分県の名物

ゆでもち
平たく円盤状に薄くのばした、大分県独自の「見た目」が特徴の郷土菓子。あんが透けて見えるほど薄い皮は、農作業の合間に素早く食べられるよう工夫された知恵である。

やせうま
貴族の若君が乳母の八瀬に「うま(食べ物)を」とねだったことから名付けられた、薄く伸ばした小麦粉生地をきなこと砂糖で味わう大分の伝統菓子。七夕やお盆の供え物としても使われる。

とり天
昭和初期、別府「東洋軒」が女性客の気遣いから生み出した鶏天ぷら。骨なしのもも肉を天ぷら粉でサクッと揚げ、練りからし入り酢醤油で味わう大分県民のソウルフードである。

鶏めし
猟師がお客をもてなすためキジやハトで作ったのが始まり。鶏肉購入量全国トップの大分県で、ハレの場に欠かせない炊き込みご飯である。

たらおさ
大分県日田・玖珠地方のお盆のごちそう「たらおさ」は、タラのエラと胃を干した北海道稚内産の珍しい乾物。歯ブラシのような独特の形状と、コリコリ・もっちりの二重の食感がやみつきになる。

鯛麺
「鯛麺」と「対面」が同じ発音であることから、婚礼の顔合わせに欠かせない縁起物となった。古事記の神話に登場する姫島で、2kg級のタイを丸ごと1匹載せた豪華なうどんである。