
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
大和まなと薄揚げを食べやすい大きさに切り、だし汁と醤油・砂糖で煮含めた煮物料理である。大和まなはアブラナ科の「ツケナ」の一種で、癖のない味と歯ごたえが特徴である。主な伝承地域は奈良県で、大和盆地の伝統野菜として古くから栽培されてきた。霜があたる冬の旬に甘みが増すことから、寒い季節の家庭料理として親しまれてきたが、平成21年(2009年)に「夏なら菜」「冬なら菜」の新品種が発表され、通年食べられるようになった。家庭によって味付けの濃淡や煮込み時間に違いがあり、練りからしを添えるかどうかも異なる。
由来・歴史
大和まなは「古事記」に記載される「菘(すずな)」をルーツとする古い野菜であり、奈良の伝統的な「ツケナ」として長く食されてきた。しかしスーパーマーケットにはほとんど出回らず、地元の家庭で消費されるにとどまっていた。平成17年(2005年)に奈良県地域結集型研究開発プログラムによる品種改良が進み、平成21年(2009年)10月に「夏なら菜」「冬なら菜」が発表され、広く流通するようになった。
食べ方
大和まなと薄揚げを食べやすい大きさに切り、鍋で炒めてからだし汁と醤油・砂糖を加え、煮含める。練りからしを添えて食べることもある。本来は霜があたる冬の旬に甘みが増すため、寒い季節の料理であったが、品種改良により周年栽培が可能となり、通年食べられるようになった。
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産地
煮物の名物

ゆずの皮煮
日田市の柚子は寒暖差が大きい土地で香り豊かに育つ。その皮を砂糖で煮詰めた「ゆずの皮煮」は、かつては大釜で薪炊きし、今もお節やお茶うけに欠かせない保存食である。

ぜいたく煮
漬物をわざわざ煮物にする手間から「ぜいたく」の名がついた滋賀県の変わり種煮物。湖北の仏事に欠かせない定番として、各家庭が古漬けたくあんを常備してきた。

ぜんまいの炒め煮
繰り返しの天日干しと揉みほぐしで繊維を柔らかくする独特の製法が特徴。油との相性が良く、田植えの日の腹持ちの良い食事として農家に重用された保存食である。

焼き鯖の煮付け
焼きサバをほぐして玉ねぎと甘めに煮込む、鳥取県東部の知恵が生んだ庶民の味。臭みを和らげ子どもも食べやすく、農繁期の簡単な魚料理として重宝された。

焼鮎の甘露煮
骨まで食べられるほどふっくらと煮込まれた焼鮎の甘露煮は、球磨川の秋の風物詩「落ちアユ」を使った人吉・球磨地域の冬の保存食である。
奈良県の名物

ずいきの煮もの
天平時代から続く奈良の伝統食材。里芋の葉柄を新聞紙で軟白栽培した「幻の食材」は、東大寺正倉院文書にも記録される歴史ある味である。

大和の雑煮
餅を砂糖入りきな粉につけて食べる奈良の雑煮。豆腐は白壁の蔵、里芋の頭芋は「人の上に立つ」願いが込められ、具材一つひとつに縁起物の意味が宿る。

蕨餅
若草山焼きの伝統が生んだ奈良の名物。ワラビ根の希少なデンプンからつくる蕨餅は、透明な舌触りと独特の風味が特徴の和菓子である。

蛸もみうり
吸盤で大地に根付くという願いを込め、田植え後の「早苗饗」に供される縁起物。塩もみしたきゅうりとタコを酢で和えた奈良の夏の味。

しきしき
戦前から続く奈良の素朴なおやつ。クレープのような薄焼き生地に、甘いあんを巻いたりねぎをかけたりと家庭ごとに食べ方が異なる。

さんま寿司
十津川村で南北で異なる製法が伝わる「さんま寿司」。北部は長期発酵のなれずし、南部は酢で締めた押し寿司と、同じ名で対照的な味わいが楽しめる。