
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
ずいきとは里芋の葉柄を指し、唐の芋や八つ頭など赤茎系品種のアクが少ない部分を皮を剥いて利用する。奈良盆地の豊富な水資源を背景に、古くから良質な里芋が生産され、ずいきも日常的に食されてきた。主に煮物や酢の物、味噌汁の具として親しまれ、お盆には仏壇にずいきの酢の物や七色お和えを供える習慣もある。家庭ごとにアク抜きの程度や調味に違いがあり、皮を剥いて乾燥させた「芋がら」は保存食としても重宝される。現代では奈良市狭川地区で「軟白ずいき」が大和の伝統野菜として生産・販売され、高級食材としての地位を確立している。
由来・歴史
ずいきの歴史は天平時代に遡り、東大寺正倉院文書に芋茎(ずいき)の利用が記載されている。奈良盆地は水田が多く豊富な水資源に恵まれ、古来より良質な里芋の生産地として発展した。里芋の収穫時に採れたずいきを乾燥させた「芋がら」は保存食として発達し、現代では奈良市狭川地区で新聞紙で巻いて軟化栽培した「軟白ずいき」が大和の伝統野菜に認定され、市場に出回ることのない幻の食材として知られる。
食べ方
ずいきは皮をむき3cm程度に切り、30分ほど水に浸けてからたっぷりの湯でゆでてアク抜きする。煮物や酢の物、味噌汁の具として利用され、お盆には仏壇にずいきの酢の物や七色お和えを供える。皮を剥いて乾燥させた「芋がら」はもどして調理し、保存食としても活用される。
オンラインで買う
ふるさと納税で取り寄せる
産地
煮物の名物

雑煮
伊吹山系と鈴鹿山系が東西文化をブロックし、丸餅・角餅・押し餅が混淆する全国でも特殊な雑煮文化圏。湯炊き・水炊き・焼き餅、澄まし汁・味噌汁と調理法も多彩である。

雑煮
「株を上げる」縁起かつぎのかぶと、北前船が運んだ黒砂糖の二つの物語が交差する福井の正月の味。日常の汁椀に盛る素朴な雑煮は、昆布敷きの鍋で丸餅を味噌仕立てに煮込む。

雑煮
「名を上げる」という縁起担ぎから生まれた、餅と餅菜だけの極めてシンプルな正月料理。尾張藩の質素倹約の精神や、将軍からの叱責説など、成り立ちには複数の伝承が残る。

ぜんまいの煮物
「山菜の王様」と称されるぜんまいは、綿毛を取り2〜3日かけて揉み込む手間をかけて乾燥させる。縁起を担いでお正月に「一本煮」として供されることもある新潟の冬の保存食である。

ぜんまいの炒め煮
繰り返しの天日干しと揉みほぐしで繊維を柔らかくする独特の製法が特徴。油との相性が良く、田植えの日の腹持ちの良い食事として農家に重用された保存食である。

ぜいたく煮
漬物をわざわざ煮物にする手間から「ぜいたく」の名がついた滋賀県の変わり種煮物。湖北の仏事に欠かせない定番として、各家庭が古漬けたくあんを常備してきた。
奈良県の名物

大和まなと薄揚げの煮もの
「古事記」に記載される「菘(すずな)」をルーツとする大和まなは、霜にあたると甘みが増す奈良の伝統野菜。薄揚げと煮含めた滋味深い家庭料理は、平成21年の品種改良で周年流通するようになった。

大和の雑煮
餅を砂糖入りきな粉につけて食べる奈良の雑煮。豆腐は白壁の蔵、里芋の頭芋は「人の上に立つ」願いが込められ、具材一つひとつに縁起物の意味が宿る。

蕨餅
若草山焼きの伝統が生んだ奈良の名物。ワラビ根の希少なデンプンからつくる蕨餅は、透明な舌触りと独特の風味が特徴の和菓子である。

蛸もみうり
吸盤で大地に根付くという願いを込め、田植え後の「早苗饗」に供される縁起物。塩もみしたきゅうりとタコを酢で和えた奈良の夏の味。

しきしき
戦前から続く奈良の素朴なおやつ。クレープのような薄焼き生地に、甘いあんを巻いたりねぎをかけたりと家庭ごとに食べ方が異なる。

さんま寿司
十津川村で南北で異なる製法が伝わる「さんま寿司」。北部は長期発酵のなれずし、南部は酢で締めた押し寿司と、同じ名で対照的な味わいが楽しめる。