
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
小口切りのきゅうりを塩で柔らかくもみ、タコと合わせた酢の物である。大和三尺きゅうりや半白きゅうりなど肉質の硬い在来種を用いるのが本来の姿だが、現代のきゅうりでは軽く塩もみするだけで十分となる。奈良県の水田地帯で、田植えの終わりに田の神様に感謝し秋の豊作を祈る「早苗饗(さなぶり)」の際に供される。家庭ではタコの代わりに両面を炙った薄揚げを加えた「もみうり」も夏の定番として親しまれ、酒の肴としても重宝されている。
由来・歴史
「蛸もみうり」の名は、吸盤を持ち吸い付くタコにあやかり、田の苗が大地にしっかり根付くよう願うことに由来する。タコは縁起のよい食材として、結婚式や宮参りなどハレの日にも用いられてきた。田植え後の「早苗饗」に供されることで、秋の豊作への祈りが込められている。
食べ方
きゅうりは小口切りにして塩でもみ、柔らかくなったら水気を絞ってタコと和え、酢・白ごまなどで味付けする。夏野菜を使うことから夏の食卓に多く登場し、特に田植えが終わる時期の「早苗饗」で食される習慣がある。さっぱりとした味わいのため酒の肴としても適している。
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産地
奈良県の名物

蕨餅
若草山焼きの伝統が生んだ奈良の名物。ワラビ根の希少なデンプンからつくる蕨餅は、透明な舌触りと独特の風味が特徴の和菓子である。

大和の雑煮
餅を砂糖入りきな粉につけて食べる奈良の雑煮。豆腐は白壁の蔵、里芋の頭芋は「人の上に立つ」願いが込められ、具材一つひとつに縁起物の意味が宿る。

大和まなと薄揚げの煮もの
「古事記」に記載される「菘(すずな)」をルーツとする大和まなは、霜にあたると甘みが増す奈良の伝統野菜。薄揚げと煮含めた滋味深い家庭料理は、平成21年の品種改良で周年流通するようになった。

しきしき
戦前から続く奈良の素朴なおやつ。クレープのような薄焼き生地に、甘いあんを巻いたりねぎをかけたりと家庭ごとに食べ方が異なる。

さんま寿司
十津川村で南北で異なる製法が伝わる「さんま寿司」。北部は長期発酵のなれずし、南部は酢で締めた押し寿司と、同じ名で対照的な味わいが楽しめる。

にゅうめん
「にゅうめん」は煮麺がなまった呼び名で、三輪素麺発祥の地・奈良県桜井市三輪で冬に親しまれる温かい麺料理である。素麺を煮込むという意外な食べ方は、1200年以上続く素麺文化が生んだ地元ならではの知恵である。