
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
とうがん汁は、とうがんを食べやすい大きさにカットし、とり肉や干ししいたけなどとともに出汁で煮込み、片栗粉でとろみをつけたあんかけの汁物である。愛知県はとうがんの出荷量が全国第2位で、尾張地域・西三河地域を中心に県全域で親しまれている。主に7月から10月の収穫時期に食べられ、95%以上が水分であるため夏の水分補給や、食欲が減りがちな夏の暑気払いとして重宝される。具材は家庭によって異なり、油揚げを入れることもあるほか、皮の切り方も厚めにしてなめらかにするか薄めにして食感を楽しむかで分かれる。近年は品種改良で小ぶりのものが増え、早生とうがんに代わり琉球とうがんの栽培が主流となっている。
由来・歴史
とうがんはインド原産で中国を経由して日本に伝来し、奈良時代の文献にも記載がある古い食材である。皮が厚く冷暗所で保存すれば冬までもつことから「冬瓜」と名付けられた。愛知県では明治時代から小ぶりの「早生とうがん」が栽培され、熟した実に白い粉がつくのが特徴だったが、その粉が手につくことから敬遠され、近年は琉球とうがんが主流となった。戦後の食糧難の時代には大ぶりのとうがんがよく食べられていた。
食べ方
とうがんのわたを取り、食べやすい大きさにカットして皮をむき、とり肉や干ししいたけなどの具材とともに出汁で煮る。具材に火が通ったら片栗粉でとろみをつけて完成する。出汁はカツオや煮干しではなく干ししいたけの出汁でつくることが多い。皮は厚めに切れば口当たりがなめらかになり、薄めに切れば食感と緑色の色合いが楽しめる。7月から10月の収穫時期に食べられ、冷やして食べたり熱々にして夏の暑気払いとして食することもある。
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産地
汁物の名物

遠山かぶの粕汁
「ぶっかく」と呼ばれる独特の切り方で小さく刻んだ遠山かぶを、前日から煮込んだ粕汁は、雪深い米沢の冬を代表する滋味深い郷土料理である。

つぼん汁
「壺の汁」が訛って「つぼん汁」となった、熊本県人吉球磨の祝い料理。秋祭りの会席膳から発展し、具材は7種類や9種類の奇数でそろえるのが慣わしである。

つがに汁
生きたまま石臼で挽くという衝撃の調理法。四万十川のモクズガニを丸ごと粉砕し、濃厚な出汁を搾り取る高知の伝統汁物である。

てっぽう汁
箸でカニの足をつつく仕草が鉄砲に弾を込めるように見えたことから名付けられた、根室発祥の漁師汁。花咲ガニの濃厚な出汁が決め手の味噌汁は、かつて夏から秋の漁期に漁師たちが海で作って食べた手軽な一品である。

鱈のじゃっぱ汁
「じゃっぱ」は津軽の方言で「捨てるもの」を意味し、本来は廃棄されるタラのアラを丸ごと煮込んだ豪快な汁物。雪道で丸ごと引きずった大きなタラの頭や骨から、漁師たちの体を芯から温めた正月の味である。

竹の子汁
サバ缶が入るのが新潟流。「姫たけのこ」は千島笹の若芽で、採れるのは初夏の一時期のみ。山深い上越地方で、貴重な旬を味噌汁で味わう。
愛知県の名物

雑煮
「名を上げる」という縁起担ぎから生まれた、餅と餅菜だけの極めてシンプルな正月料理。尾張藩の質素倹約の精神や、将軍からの叱責説など、成り立ちには複数の伝承が残る。

たこ飯
「桜飯」とも呼ばれる美しいピンク色は、生タコを米と一緒に炊き込む愛知県独特の技法によるもの。漁師が船で即興で作った「漁師飯」が起源とされる。

酢味噌そうめん
八丁味噌の濃厚なコクと酢の酸味が絶妙に調和する、名古屋の夏の知られざる名物。簡単ながら奥深い味わいは、豆味噌文化の粋を体現する一皿である。

れんこんの煮物
「先を見通す」縁起の良さから正月おせちに欠かせない愛知県の煮物。海抜0m地帯の水害を機に稲作から転換した蓮根栽培が生んだ、しみじみとした家庭の味である。

おしもん/おこしもん
「押して作る」から名づけられたとも「起こして外す」からともいわれる、愛知県の桃の節句の菓子。米粉を型に押して色付けし、お雛様に供えた後は焼いて食べる。
ふるさと納税鬼まんじゅう
角切りのさつまいもがゴツゴツと見える様が鬼のツノを連想させ、戦中戦後の食糧難時代に誕生した名古屋の郷土菓子。水っぽく旨味のない「護国芋」をいかに美味しく食べるかという工夫から生まれた。