
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
味噌ベースの汁に姫たけのことサバ缶を煮込み、じゃがいも・人参・たまねぎ・卵などを加えた具沢山の汁物である。サバ缶のコクと旨味が特徴で、酒粕を入れることもある。新潟県上越地方と長野県北信地域に伝わり、山深い地形で採れる千島笹の若芽「姫たけのこ」を使う。5月下旬から7月初旬の旬の時期に、採取したその日のうちに調理され、地元の人が待ちわびる季節の味となっている。上越地方は具沢山、北信地域はシンプルに仕立てるなど家庭ごとに差があり、近年は瓶詰めで長期保存する工夫も生まれた。
由来・歴史
新潟県上越地方・長野県北信地域では、千島笹の若芽「姫たけのこ」が初夏に採れる。元々は妙高市などで「身欠きニシン」を使っていたが、昭和30年代にサバ缶が普及し、新鮮な魚の入手が難しい内陸部で広まった。若芽の採れる期間が極めて短いため、地元ではこの時期を特別に待ち望む習慣が根付いた。
食べ方
収穫または購入した姫たけのこはアクが時間とともに強まるため、当日中に茹でて下処理するか調理する。味噌ベースの汁にたけのことサバ缶を加え、酒粕でコクを出すこともある。5月下旬から7月初旬の旬の時期に、上越・北信地域の家庭で食べられる。具は地域や家庭によって異なり、上越ではじゃがいも・人参・たまねぎ・油揚げ・卵とじなどを加えた具沢山の仕立てが一般的である。
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産地
汁物の名物

鱈のじゃっぱ汁
「じゃっぱ」は津軽の方言で「捨てるもの」を意味し、本来は廃棄されるタラのアラを丸ごと煮込んだ豪快な汁物。雪道で丸ごと引きずった大きなタラの頭や骨から、漁師たちの体を芯から温めた正月の味である。

てっぽう汁
箸でカニの足をつつく仕草が鉄砲に弾を込めるように見えたことから名付けられた、根室発祥の漁師汁。花咲ガニの濃厚な出汁が決め手の味噌汁は、かつて夏から秋の漁期に漁師たちが海で作って食べた手軽な一品である。

とうがん汁
「冬瓜」と名付けられた由来は、皮が厚く日持ちが良く冬までもつことから。夏が旬の愛知県の名物汁物で、水分補給にも重宝される。

たけのこ汁
山へ帰ると言われるほど鮮度が命の根曲がり竹に、海なし長野が愛するサバ缶を合わせた意外な組み合わせ。昭和に広まった缶詰が、山の幸を引き立てる名脇役となった郷土の味噌汁。

たちの味噌汁/スケソウダラの白子の味噌汁
「たち」とはタラの白子の北海道方言。丸ごと入れた味噌汁は、武士に「切腹を連想させない縁起の良い食べ物」として喜ばれた歴史を持つ。

塩くじら汁
山形の夏を乗り切る伝統のスタミナ汁。塩漬けのくじら脂身と新じゃが、旬の野菜を煮込み、暑さに備えてきた内陸の知恵が詰まる。
新潟県の名物

タレかつ丼
卵とじをせず、甘辛い醤油だれにくぐらせた揚げたてカツをごはんにのせる新潟発祥の丼。1丼にカツが2枚以上という豪快さが特徴で、市民のソウルフードとして定着している。

ぜんまいの煮物
「山菜の王様」と称されるぜんまいは、綿毛を取り2〜3日かけて揉み込む手間をかけて乾燥させる。縁起を担いでお正月に「一本煮」として供されることもある新潟の冬の保存食である。

ずいきの酢漬け
里芋の一種「八つ頭」の葉柄を酢に漬けた新潟の夏の郷土料理。アントシアニンが酸と反応し、鮮やかな紅色に染まる見た目の美しさから、お正月の食卓にも並ぶ保存食として親しまれてきた。

しょうゆおこわ
新潟県長岡市で「赤飯」と呼ばれるのは、醤油で色付けした茶色のおこわ。全国的な赤飯のイメージを覆す、地元だけの独特な食文化が息づく。

笹寿司
戦国時代に上杉謙信の兵士が器代わりに使ったという伝承を持つ、笹の葉に酢飯と具を盛り付けた上越地方の名物。2014年には「糸魚川 七夕は笹ずしの日」として記念日登録された。

笹団子
戦国時代に上杉謙信が携行食とした保存食が、米俵に似た俵形の和菓子へ。笹の殺菌作用を活かした新潟の銘菓である。