
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
打ち豆汁は、大豆を蒸して木づちで潰し花型に乾燥させた「打ち豆」を、かぶ、里芋、大根、油揚げ、豆腐、ねぎなどと共に味噌で煮込んだ汁物料理である。主に雪の多い湖北地域、特に近江八幡市安土下豊浦地域を中心に伝わり、厳しい冬の貴重なたんぱく源として親しまれてきた。親鸞聖人の報恩講の際のお講汁として出されるほか、伊勢講参りのお迎え祈祷汁としても用いられる。具材には地域特産の信長ねぎが加わることもあり、家庭ごとに具の組み合わせや味噌の配合に違いがある。現代では湖北地域の冬の日常食として定着し、じっくり煮込むことで増す甘みが特徴である。
由来・歴史
打ち豆の製法は、蒸した大豆を木づちで潰すことで火が早く通り、味がよく染み、大豆のだしもとれるよう工夫されたものである。雪深く冬が厳しい湖北地域で、保存性と栄養価に優れたたんぱく源として発展した。近江八幡市安土下豊浦地域では伊勢講参りのお迎えをする祈祷汁としての歴史も持つ。信長ねぎは、近江八幡市安土町地域で栽培される肉厚の白ねぎで、織田信長にちなんで命名された特産品である。
食べ方
打ち豆は大豆を水に1時間漬け、熱湯でゆでた後ポリ袋に入れて5時間おき、蒸して木づちで一粒ずつ叩いて平らにする。鍋に打ち豆と味噌、だし汁で下煮し、かぶ、里芋、油揚げなどの具材を加えて煮る。11月後半から3月末に旬を迎える信長ねぎを加えると、しっかり火を通した際の甘みが増す。報恩講の行事食として出されるほか、湖北地域の冬の日常食として食されている。
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産地
汁物の名物

夕顔のみそ汁
夕方に花を咲かせることから名付けられた夕顔は、富士北麓の夏を彩る伝統的な野菜。朝顔とは別種で、ひょうたんのような細長いナガユウガオが用いられ、味噌汁にするとトロンとした独特の食感が楽しめる。

ざぶ汁
「ざぶざぶ」と食材を煮る音が名前の由来。宮崎県都農町に伝わる、手軽な根菜の煮物で、家庭ごとに具材を変えて親しまれている。

打ち込み汁
打ち立ての麺を別ゆでせずそのまま鍋に「打ち込む」様子から名付けられた、香川の農村冬の日常食。手早く作れる素朴な汁物で、麺の太さはその日の手づくり次第。

つがに汁
生きたまま石臼で挽くという衝撃の調理法。四万十川のモクズガニを丸ごと粉砕し、濃厚な出汁を搾り取る高知の伝統汁物である。

つぼん汁
「壺の汁」が訛って「つぼん汁」となった、熊本県人吉球磨の祝い料理。秋祭りの会席膳から発展し、具材は7種類や9種類の奇数でそろえるのが慣わしである。

遠山かぶの粕汁
「ぶっかく」と呼ばれる独特の切り方で小さく刻んだ遠山かぶを、前日から煮込んだ粕汁は、雪深い米沢の冬を代表する滋味深い郷土料理である。
滋賀県の名物

焼きもろこのどろ酢
琵琶湖固有種「ホンモロコ」を串焼きにし、味噌・砂糖・辛子・酢を混ぜた「どろ酢」をかけて食べる滋賀の名物料理。絶滅危惧種でありながら養殖技術で今も味わえる貴重な味。

ぜいたく煮
漬物をわざわざ煮物にする手間から「ぜいたく」の名がついた滋賀県の変わり種煮物。湖北の仏事に欠かせない定番として、各家庭が古漬けたくあんを常備してきた。

豆腐田楽
白い袴に色の上着を着けた田楽法師の姿に似たことから名付けられた。串に刺した豆腐にねぎ味噌を塗って炙る滋賀の伝統料理で、寺院の多い土地で精進料理として発展した。

しょいめし
「わっしょい」の掛け声から名づけられたか、あるいは「しょうゆめし」が訛ったか。高島市新旭地域の伝統的な醤油炊き込みご飯で、神事「湯立て」に由来する独特の炊き方が特徴である。

しじみ汁
琵琶湖固有種「セタシジミ」の殻がふっくら開くと、濃厚な出汁が広がる。昭和40年代までは日常の味だったが、環境悪化で激減し、今や春の贅沢となっている滋賀の滋味。

鯖の棒ずし
「鯖街道」の名残を今に伝える棒状の押し寿司。大津や長浜の曳山祭りのご馳走として欠かせず、寒い季節に味わう伝統の味である。