
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
白瓜の内部をくり抜き、しその葉に巻いた青唐辛子を詰めて醤油とみりんの調味液で漬け込む漬物である。千葉県産の白瓜・唐辛子・しその葉を原料に、パリッとした歯ごたえとピリ辛の風味が特徴である。成田地域を中心に生産され、千葉県はシロウリの生産量が全国上位という背景からこの漬物が発展した。昔は冬の保存食として作られ、現代では成田山新勝寺のお土産として広く親しまれている。漬物店ごとに味や中身の組み合わせに工夫があり、食べ比べを楽しむ人も多い。
由来・歴史
瓜の穴を砲筒、青唐辛子を弾に見立てて「鉄砲漬け」と名付けられた。無添加醤油とみりんを主体とした調味液で漬け込む伝統的な製法が受け継がれ、成田山新勝寺の参拝客向けお土産として定着した。近年は歯ごたえの柔らかい「はぐらうり」というブランドウリも生産されるようになった。
食べ方
塩漬けした瓜を2日間塩出しし、調味料を煮立てて冷ました後に漬け、軽く落し蓋をする。調味液を再び煮立てて冷まし、瓜を漬け直す作業を4〜5日繰り返し、1週間ほどで完成する。ごはんのおかずや酒の肴として食べられ、成田の漬物店で味比べをしながら歩くのが通の楽しみ方である。
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産地
漬物の名物

わかさぎとれんこんの酢漬け
霞ヶ浦の名物ワカサギと日本一の産地・土浦のれんこんを、甘酢に漬け込んだ爽やかな郷土料理。骨まで食べられる小魚とシャキシャキの根菜が、漁師町の食文化を今に伝える。

野菜の漬物
本居宣長が「香の物」として愛した「松阪赤菜」や、300年前に蒲生氏郷が近江から伝えたとされる歴史を持つ。三重県内には日野菜漬け、伊勢たくあん、白瓜の鉄砲漬けなど、各地域の風土が生んだ多種多様な野菜の漬物が存在する。

雪菜のふすべ漬け
「ふすべ(る)」は山形の方言で「さっと湯通しする」こと。雪の中で育つ珍しい軟白野菜「雪菜」を、たった3〜5秒の湯通しを3回繰り返して漬け込むと、独特の辛味が引き出される。密封して3日寝かせるのが美味しさの秘訣である。

豆腐の味噌漬け
800年前の平家落ち武者が伝えたとされる保存食。半年間味噌に漬け込むとチーズのような風味に変化し、山間部の貴重なタンパク源として親しまれた。

トキシラズ/トキ鮭の焼漬け
「時期を知らずにとれる魚」が名前の由来。アムール川生まれの希少な春サケを、脂がのった若いうちに焼いて漬けた北海道の初夏のごちそうである。

スルメの麹漬け
鳥取の山間部で生まれた「おふくろの味」——スルメイカを海風で干し、麹に漬け込むことで冬の保存食として長く親しまれてきた。
千葉県の名物

ヤンゴメ
お盆の迎え火・送り火で「やん米食い食い」と唱えながら撒く縁起物。炒った米と小豆を甘く炊き、パラパラとした食感が特徴。千葉県のハレの日に親しまれる郷土料理である。

ゆで落花生
「掘りたてをすぐにゆでないとおいしくならない」という産地ならではの鉄則がある。収穫した生落花生は時とともに硬くなり味も落ちるため、畑のそばで塩ゆでにするこの食べ方は、千葉の秋の風物詩として親しまれている。

鶏雑炊
骨まで叩いて鶏団子に混ぜ込む「とっどせ」とも呼ばれる知恵の一品。千葉県の農家でニワトリを飼う暮らしから生まれた、正月や祭りの人寄せを彩る郷土料理である。

鉄砲巻き
見た目が鉄砲に似ることから名付けられた富津市の太巻き寿司。カツオ節を醤油で味付けした具をごはんで巻き、漁師の携帯食として親しまれてきた。

てんもんどう
千葉県の農家が砂糖で野菜を煮詰めた保存食「てんもんどう」。漢方薬のクサスギカズラに由来する名前は、蜜漬けの滋養効果にちなむ。ごぼうやれんこんなど多様な野菜が使われ、防腐剤なしで10ヵ月保存できる。

高津のとり飯
「米1升に飯茶わん1杯の醤油」という分量で代々伝えられる、安産祈願の子安講や豊作願いの八朔に欠かせない千葉の味。肉を小さく切るのは、貴重な食材を皆で分かち合うための知恵である。