
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
千葉県の「ゆで落花生」は、サヤ付きのまま塩ゆでにするシンプルな調理法で、生の落花生の甘みと香りを最大限に引き出す料理である。主な伝承地域は県内全域で、特に北総台地を中心とした八街市、富里市、千葉市、袖ケ浦市などが知られ、関東ローム層の火山灰地が栽培に適したことから、千葉県は国内生産量の7割以上を占める日本一の産地となった。食べられるのは主に9月から11月下旬の収穫期で、掘りたての生落花生は時間経過とともに硬くなり味も落ちるため、畑で採れたてをすぐにゆでるという産地特有の食習慣が形成された。家庭ごとにゆで時間や塩加減に違いがあり、40分から50分かけてじっくりゆでるか、30分過ぎから硬さを確認しながら調整するなど、好みの食感を追求する楽しみもある。現代では通年加工品が流通する中、旬の生落花生からしかつくれないこの味わいは、地元の人々にとって待ち望まれる季節の一品となっている。
由来・歴史
落花生は1706年に南米大陸のアンデス原産のものが東アジアを経由して日本に入った。明治9年(1876年)、千葉県山武郡南郷村(現山武市)の九十九里平野で試作され、翌年の県令による栽培奨励を受けて旭市を中心に産地が広がった。当初の品種は干ばつに弱く減少したが、大正期に八街市付近へ中国から干ばつに強い品種が入り、栽培が盛んになった。火山灰地に適したこの作物は、北総台地を中心に全国生産量の7割以上を占める産地へと発展した。
食べ方
サヤ付きのまま鍋に入れ、水に対して3%の塩を加えて40分から50分ゆでる。ゆでている間に灰汁が出るため水は多めにし、30分過ぎから時々取り出して硬さを確認するのがコツである。ゆで上がったらザルに上げてそのまま冷まし、殻を割って食べる。主に9月から11月下旬の収穫期に、畑で採れたての生落花生から作られるため、この時期にしか味わえない産地ならではの食べ方である。
オンラインで買う
ふるさと納税で取り寄せる
産地
千葉県の名物

ヤンゴメ
お盆の迎え火・送り火で「やん米食い食い」と唱えながら撒く縁起物。炒った米と小豆を甘く炊き、パラパラとした食感が特徴。千葉県のハレの日に親しまれる郷土料理である。

瓜の鉄砲漬
砲筒のような瓜に「火薬」見立ての青唐辛子を詰めた成田名物。成田山新勝寺のお土産として知られ、店ごとの味比べが通の楽しみ方である。

鶏雑炊
骨まで叩いて鶏団子に混ぜ込む「とっどせ」とも呼ばれる知恵の一品。千葉県の農家でニワトリを飼う暮らしから生まれた、正月や祭りの人寄せを彩る郷土料理である。

鉄砲巻き
見た目が鉄砲に似ることから名付けられた富津市の太巻き寿司。カツオ節を醤油で味付けした具をごはんで巻き、漁師の携帯食として親しまれてきた。

てんもんどう
千葉県の農家が砂糖で野菜を煮詰めた保存食「てんもんどう」。漢方薬のクサスギカズラに由来する名前は、蜜漬けの滋養効果にちなむ。ごぼうやれんこんなど多様な野菜が使われ、防腐剤なしで10ヵ月保存できる。

高津のとり飯
「米1升に飯茶わん1杯の醤油」という分量で代々伝えられる、安産祈願の子安講や豊作願いの八朔に欠かせない千葉の味。肉を小さく切るのは、貴重な食材を皆で分かち合うための知恵である。