
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
上新粉と臼でついたもち米、あんを用い、オヤマボクチの葉を練り込んだ餅菓子である。粘り気のある食感はヨモギ餅に似るが、独自の風味を持ち、草の香りが控えめで食べやすい。主に甲州市大和地域、山梨市牧丘地域、県東部の郡内地域で伝承されており、かつて大和ではオヤマボクチの繊維をほうとうのつなぎに使うなど、当地の食文化と深く結びついている。旧暦3月3日のひな祭りなどで食されることが多く、牧丘や郡内では「うらじろだんご」として親しまれてきた。家庭や地域によって粉の配合や形状に違いがあり、近年は加工技術の向上により通年楽しめる名物として定着している。
由来・歴史
オヤマボクチの葉裏の白い茸毛が「ウラジロ」の名の由来であり、火おこしの道具「火口(ほくち)」に使われたことから「オヤマボクチ」と呼ばれるようになったという。甲州市大和地域では、ほうとうのつなぎに使われていた繊維を菓子に加工したのが始まりとされる。山梨市牧丘や郡内地域では、旧暦のひな祭りに「うらじろだんご」として食される伝統があった。
食べ方
5月中旬から下旬に採れる若葉を当日のうちに水洗いし、アクを抜く。上新粉を水で練った生地と、せいろで蒸したもち米を臼で搗き合わせ、オヤマボクチの葉を混ぜ込む。できた生地であんを包んで完成する。かつては旧暦3月3日のひな祭りに食べる習慣があったが、現在は生葉の加工や保存技術の向上により、年中製造・味わうことができる。
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産地
まんじゅうの名物

酒まんじゅう
麹の発酵力だけで生地をふくらませる、豊肥地方のソウルフード。あんなしの「しいら」は宮崎・熊本にも名を変えて伝わる。
ふるさと納税鬼まんじゅう
角切りのさつまいもがゴツゴツと見える様が鬼のツノを連想させ、戦中戦後の食糧難時代に誕生した名古屋の郷土菓子。水っぽく旨味のない「護国芋」をいかに美味しく食べるかという工夫から生まれた。
ふるさと納税みとり饅頭
「みとり」とは豆のさやから実だけを摘み取ることから名付けられた。夏あずきを包んだ重曹入りの生地は、蒸すとふっくら丸く膨らみ、ほのかな苦みが特徴的な郷土菓子である。

いも饅頭
里芋やじゃがいもを丸ごと小麦粉の皮で包んで蒸す、奥八女・弓掛地区の素朴なおやつ。焼いて醤油をつけて頬張るのが山里の流儀で、腹持ちのよさから冬の食卓に欠かせなかった。

いがまんじゅう
桃の節句に三色のもち米をまぶした「いがまんじゅう」は、西三河地域独自の雛祭り行事食。ピンク・黄・緑の色彩が豊作祈願や生命力を象徴し、1月中旬から店頭に並ぶ春の訪れを告げる菓子である。

がめの葉饅頭
亀の甲羅にそっくりな葉で包むことから「がめの葉饅頭」と名付けられた。福岡県ではかしわの葉がないため、端午の節句にサンキラの葉で代用した郷土菓子である。
山梨県の名物

うすやき
山梨の粉文化が生んだ薄焼きのおやつ。ちりめんじゃこや青じそを混ぜて焼く定番のほか、あんこや煮豆を包む甘い版もあり、農作業の合間に手軽に食べられてきた。

やこめ
「焼米」が語源とされるやこめは、種もみを煎った古い形から、今は大豆を入れた炊き込みご飯へと姿を変えた。山梨の稲作農家が立春の水口祭りで豊穣を祈る神饌として供えてきた名物料理である。

吉田のうどん
富士吉田の織物工場で生まれた、驚くほどの歯ごたえと強いコシが特徴の極太うどん。機械を止めず昼食を済ませる女性職人のために、行商の男性が力強く練り上げたのが始まりと伝わる。

月の雫
ぶどう一粒一粒に蜜を纏わせた甲州の伝統菓子。江戸時代、煮詰めていた砂糖に偶然落ちたぶどうが起源とされ、ガイドブックにも掲載されるほどの銘菓として親しまれてきた。

鳥もつ煮
捨てられていた鳥の内臓が、貴重な醤油と砂糖で生まれ変わった戦後のソウルフード。強火短時間の照り煮で旨味を閉じ込める独特の技法が、甲府市民に長く愛され続けている。

しょうゆの実
醤油仕込みの副産物が独自の発酵食品へと昇華した山梨の知恵。高冷地・傾斜地で育った大豆を麹で熟成させ、冬の貴重なたんぱく源として親しまれてきた。