
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
いがまんじゅうは、粒あんまたはこしあんを米粉の生地で包み、ピンク・黄色・緑に着色したもち米を表面にまぶして蒸し上げる菓子。生地は米粉に砂糖と熱湯を加え、耳たぶほどの固さに練る。主に愛知県西三河地域で伝承され、岡崎市では三色の配色が定着している。桃の節句の3月3日に雛菓子として食べられるほか、田植え前の豊作祈願や秋の彼岸など農耕儀礼の場面でも用いられる。家庭や店舗によって色の配分やあんの種類に違いがあり、1月中旬頃から店頭に並ぶことで現代でも春の季節感を伝えている。
由来・歴史
いがまんじゅうの名の由来には諸説ある。表面のもち米が栗の「いが」に似ている説、家康の「伊賀越え」に由来する説、蒸す時の「飯の香(いいのか)」からという説などが挙げられる。愛知県以外の京都や九州にも同名の菓子は存在するが、雛祭りの行事食として食べるのは西三河地域独特の風習である。岡崎市の三色菓子では、ピンクは桃の花と魔除、黄色は菜の花と豊作祈願、緑は新芽と生命力を意味するとされ、この鮮やかさが雛菓子として定着した背景にある。
食べ方
米粉と砂糖に熱湯を注ぎ、耳たぶくらいの固さに練った生地を一度蒸す。薄く伸ばして小豆あんを包み、ピンク・黄色・緑に着色したもち米をつけて再度蒸し上げる。蒸す際は強火を避け、生地が硬くならないよう注意する。食べる時期は3月3日の雛祭りが中心で、お雛様へのお供えの後に食べる。西三河地域では1月中旬から店頭に並び始め、田植え前の豊作祈願や秋の彼岸などの農耕儀礼でも食べられる地域がある。
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産地
まんじゅうの名物

いも饅頭
里芋やじゃがいもを丸ごと小麦粉の皮で包んで蒸す、奥八女・弓掛地区の素朴なおやつ。焼いて醤油をつけて頬張るのが山里の流儀で、腹持ちのよさから冬の食卓に欠かせなかった。
ふるさと納税みとり饅頭
「みとり」とは豆のさやから実だけを摘み取ることから名付けられた。夏あずきを包んだ重曹入りの生地は、蒸すとふっくら丸く膨らみ、ほのかな苦みが特徴的な郷土菓子である。
ふるさと納税鬼まんじゅう
角切りのさつまいもがゴツゴツと見える様が鬼のツノを連想させ、戦中戦後の食糧難時代に誕生した名古屋の郷土菓子。水っぽく旨味のない「護国芋」をいかに美味しく食べるかという工夫から生まれた。

がめの葉饅頭
亀の甲羅にそっくりな葉で包むことから「がめの葉饅頭」と名付けられた。福岡県ではかしわの葉がないため、端午の節句にサンキラの葉で代用した郷土菓子である。

ばらっぱまんじゅう
猿の行く手を阻む棘を持つサルトリイバラの葉を敷いて蒸す、千葉県北総の夏祭りの味。葉の丸くつるつるとした質感が、まんじゅうを包むのに最適である。

水まんじゅう
「水の都」大垣の夏の風物詩。くず粉とわらび粉のもっちり生地にこしあんを包み、井戸水で冷やした清涼感あふれる和菓子。菓子店の水槽に浮かぶ姿が季節の訪れを告げる。
愛知県の名物

じょじょきり
ドジョウに似た細い麺を甘い汁で煮た、明治時代から続く渥美半島の農家の間食。「じょじょ」はドジョウのことで、農作業の疲れを砂糖で癒す知恵が詰まった一皿である。

十六ささげのごま味噌和え
さやに16個の豆が入る縁起の良い伝統野菜を、赤味噌とごまで和える愛知の夏の味。火を通しても割れない豆は武士にも好まれた。

かきまわし/とりめし
「かきまわし」という名は、具材をごはんにしっかり混ぜる動作に由来する。愛知県では混ぜごはん全般を指す言葉としても使われ、名古屋コーチンなど地元の鶏肉を活かした郷土料理として親しまれている。

へぼ飯
クロスズメバチの幼虫「へぼ」を甘辛く煮てごはんに混ぜる愛知県三河地域の郷土料理。かつては山間部の貴重なタンパク源で、今はごちそうとして客に振る舞われる。

はぜ佃煮
翁に似たハゼの顔が「長寿」の象徴となり、おせち料理に欠かせない一品。三河湾の恵まれた干潟と、豆味噌から生まれた濃厚な「たまり」が、深いコクと旨味の佃煮を育んできた。

箱ずし
四角い木枠で押し固めた愛知の「切りずし」は、具材を斜めに配置する工夫で皆が平等に味わえるよう配慮された祝いの料理である。かつては贅沢品とされ、木枠を持つ家庭も多かった。