
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
くず粉とわらび粉を混ぜたもっちりとした生地でこしあんを包み、蒸してから井戸水で冷やした清涼な和菓子である。水の都と称される岐阜県大垣市は豊富な地下水を誇り、かつては各家庭に「井戸舟」という冷蔵設備があった。4月から9月頃までの夏場に、菓子店の水槽に浮かぶ姿が季節の風物詩となっている。当初はくず粉のみだったが水に溶けやすく硬くなる欠点を、わらび粉を加えることで克服し、現在の食感が確立された。
由来・歴史
明治時代に大垣で誕生した。水の都・大垣には各家庭に「井戸舟」があり、豊富な地下水を利用して野菜や果物を冷やしていた。そうした環境の中、「夏に食べられる冷たいお菓子を」と開発された。開発当初はくず粉のみを使用していたが、水に溶けやすく冷やすと硬くなるため、水に強いわらび粉を混ぜることで、もっちりとした食感の水まんじゅうが完成したと伝えられている。
食べ方
くず粉にわらび粉を混ぜた生地でこしあんを包み、蒸した後に陶器のおちょこに入れて地下水で冷やして食べる。販売期間は各店舗により異なるが、おおむね4月から9月頃までで、菓子店の水槽に浮かぶ水まんじゅうが大垣の夏の訪れを告げる。
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産地
まんじゅうの名物

ばらっぱまんじゅう
猿の行く手を阻む棘を持つサルトリイバラの葉を敷いて蒸す、千葉県北総の夏祭りの味。葉の丸くつるつるとした質感が、まんじゅうを包むのに最適である。

がめの葉饅頭
亀の甲羅にそっくりな葉で包むことから「がめの葉饅頭」と名付けられた。福岡県ではかしわの葉がないため、端午の節句にサンキラの葉で代用した郷土菓子である。

いがまんじゅう
桃の節句に三色のもち米をまぶした「いがまんじゅう」は、西三河地域独自の雛祭り行事食。ピンク・黄・緑の色彩が豊作祈願や生命力を象徴し、1月中旬から店頭に並ぶ春の訪れを告げる菓子である。

酒まんじゅう
「酒まんじゅうが作れることが嫁入りの条件」とされた相模原の儀礼食。火山灰台地の畑作文化が生んだ、酒種発酵の風味豊かな蒸しまんじゅうである。

いがまんじゅう
赤飯が栗のイガのようにまんじゅうを覆う、埼玉県北東部の縁起菓子。甘じょっぱい味わいともっちり食感が意外な調和を生み、ハレの日に親しまれてきた。

小麦まんじゅう
埼玉県の七夕やお盆に供える、ふんわり柔らかな小麦粉生地の蒸しまんじゅう。所沢の「ゆでまんじゅう」と対をなす、シンプルながら深い味わいの郷土菓子である。
岐阜県の名物

煮たくもじ
平安時代の宮中言葉「くもじ=漬物」を煮た郷土料理。酸っぱくなった春の漬物を捨てずに煮て食べる、食材を大切にする先人の知恵が詰まった一品である。

鶏ちゃん
豚のホルモン焼き「トンチャン」になぞらえて名付けられた、岐阜県飛騨地方の鶏肉炒め。1950年代にジンギスカンを参考に生まれ、各家庭の秘伝のタレが受け継がれている。

赤かぶ漬け
江戸時代から続く塩節約の知恵が生んだ、発酵で白い身が紅く染まる漬物。飛騨の初冬、川で野菜を洗う「菜洗い」の風物詩とともに受け継がれる。

栗きんとん
江戸時代の宿場町・中津川で茶の湯文化とともに生まれた栗きんとん。おせちのイメージとは異なり、ここでは栗そのものの風味を楽しむシンプルな和菓子として親しまれてきた。

すったて汁
「どぶ汁」の異名を持つ白川村の名物。豆腐作りの過程で生まれた大豆の搾りかすを使った汁物が、世界遺産の合掌造り集落でハレの日に供されてきた。

みそぎだんご
羽島市の伝統菓子「みそぎだんご」は、みたらし団子にあんを入れた革新的な発想から生まれた。八剣神社の「みそぎ神事」にちなむ名前で、6月末の無病息災祈願の縁起菓子として親しまれる。