
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
山県市芦安地域に伝わる保存食で、大豆を煮て麦麹と混ぜ、ワラを敷いた木箱で20℃前後に保ち白いカビを生じさせた後、黒い花に変わるまで発酵させて仕上げる。芦安は傾斜地が多く高冷地であるため稲作に不向きで、寒さに強い大豆や麦類の栽培が古くから盛んだった。10月の収穫期から仕込み始め、冬の保存食として食され、かつては麦飯に載せて食べられた。醤油を自ら醸造していた時代の副産物として生まれたが、醤油作りが途絶えた今も各家庭で独自のレシピが受け継がれ、温度や手加減により味わいが微妙に異なる。
由来・歴史
芦安地域の傾斜地・高冷地という風土がこの食文化を生んだ。稲作が難しく大豆栽培に適した土地で、各戸が醤油を自作し、その搾りかすである大豆を「しょうゆの実」として再利用した。かつては自前の醤油づくりが前提だったが、醤油作りが消えた後も「しょうゆの実」だけは独自の発酵食品として存続し、今も毎年手作りされる貴重な郷土食となった。
食べ方
完成した発酵大豆を水と少量の酒に漬け、柔らかくなったら塩を加えて約1週間置く。湯で戻す方法もある。仕上げにネギやシラス干しを添えて食べる。10月頃の大豆収穫期から仕込み始め、冬の保存食として食される。かつては麦ごはんに載せて食べられ、たんぱく源として重宝された。
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産地
山梨県の名物

鳥もつ煮
捨てられていた鳥の内臓が、貴重な醤油と砂糖で生まれ変わった戦後のソウルフード。強火短時間の照り煮で旨味を閉じ込める独特の技法が、甲府市民に長く愛され続けている。

月の雫
ぶどう一粒一粒に蜜を纏わせた甲州の伝統菓子。江戸時代、煮詰めていた砂糖に偶然落ちたぶどうが起源とされ、ガイドブックにも掲載されるほどの銘菓として親しまれてきた。

うらじろまんじゅう
葉の裏が白く見えるオヤマボクチから名付けられた山梨の郷土菓子。ヨモギ餅のような食感でありながら、草臭さがほとんどなく食べやすいのが特徴である。

せいだのたまじ
江戸時代の代官・中井清太夫が種芋を配り飢饉を救った功績を称え、「清太芋」が転じて「せいだ」と呼ばれるようになった小粒じゃがいもの味噌煮。皮ごと揚げて煮込む、棡原地域の知恵が詰まった一皿である。

さんまめし
海なし県・山梨で秋に親しまれる、旬のサンマと新米を炊き込んだ祝いのごちそう。稲刈りの終わりに業者が運んだ塩サンマが発祥とされる一皿である。

おざら
夏バテを防ぐ冷たい麺の郷土料理。細く切った麺を冷やして温かい醤油つゆに浸し、暑い山梨の夏に親しまれてきた。