
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
皮つきの小粒じゃがいもを油で揚げ、味噌と砂糖で煮込んだ郷土料理である。甲府代官の功績にちなむ名称を持ち、山梨県上野原市の棡原地域に古くから伝わる。山梨県はかつて飢饉に苦しんだ内陸山地であり、じゃがいもは貴重な食料として定着した。新じゃがが出回る春から夏にかけて特によく作られ、通年楽しまれている。味付けや煮込み加減は家庭によって異なり、現代も地元の食文化として継承されている。
由来・歴史
江戸時代後期、甲府代官・中井清太夫が九州から種芋を取り寄せ、棡原の村人に配布して栽培を奨励した。これにより大飢饉が救われ、村人はじゃがいもを「清太夫芋」「清太芋」と呼んで感謝の意を表した。その後「せいだ」に音が変化し、清太夫は「芋大明神」として祀られるようになった。上野原市の龍泉寺には現在もその碑が残されている。
食べ方
皮付きの小粒じゃがいもをよく洗い、中火で皮がしわしわになるまで揚げる。鍋にだし汁を入れて煮立て、味噌・砂糖・みりんで煮込み、汁気が少なくなったら弱火でとろみが出るまで煮詰める。仕上げにごまを振りかけて食べるのが一般的である。新じゃがが旬を迎える3月から7月にかけて特に多く作られるが、通年食べられる郷土料理である。
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産地
山梨県の名物

しょうゆの実
醤油仕込みの副産物が独自の発酵食品へと昇華した山梨の知恵。高冷地・傾斜地で育った大豆を麹で熟成させ、冬の貴重なたんぱく源として親しまれてきた。

鳥もつ煮
捨てられていた鳥の内臓が、貴重な醤油と砂糖で生まれ変わった戦後のソウルフード。強火短時間の照り煮で旨味を閉じ込める独特の技法が、甲府市民に長く愛され続けている。

月の雫
ぶどう一粒一粒に蜜を纏わせた甲州の伝統菓子。江戸時代、煮詰めていた砂糖に偶然落ちたぶどうが起源とされ、ガイドブックにも掲載されるほどの銘菓として親しまれてきた。

さんまめし
海なし県・山梨で秋に親しまれる、旬のサンマと新米を炊き込んだ祝いのごちそう。稲刈りの終わりに業者が運んだ塩サンマが発祥とされる一皿である。

おざら
夏バテを防ぐ冷たい麺の郷土料理。細く切った麺を冷やして温かい醤油つゆに浸し、暑い山梨の夏に親しまれてきた。

おしゃかこごり
釈迦のごつごつとした頭を模した「おしゃかこごり」。知恵が授かるとされるほか、謙遜を込めて「お釈迦様の鼻くそ」と呼ばれることもある、山梨の花祭りの行事食である。