
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
もち米とうるち米を混ぜ、煎った大豆と塩を加えて炊き上げるご飯である。大豆は穀霊が宿るとされ、神事で重宝される食材として米と共に用いられる。山梨県内全域、とりわけ中北地域に広く伝わり、甲府盆地を中心とした稲作地帯の風土に根ざしている。主に立夏ごろの「水口祭り」で振る舞われ、田の水口に収穫の神を迎える神事の一環として食されてきた。家庭によって大豆の硬さや塩加減に違いがあり、豆を後からのせて蒸すか否かで食感が変わる。現在では行事食としての色合いを残しつつ、郷土の味として親しまれている。
由来・歴史
語源は「焼米」に由来し、本来は前年の収穫から選び抜いた種もみのもみ殻を除いて煎ったものを指した。稲作農家にとって立春頃の苗代の種まきは「水口祭り」と呼ばれ、1年で最も重要な神事であった。この際、田の水口に豊穣を祈って収穫の神を迎え、やこめを供えた。供物にはショウブやシャクヤクなど季節の花、七草がゆの粥かき棒や箸も添えられた。やがてもち米やうるち米に煎り大豆と塩を入れて炊くご飯へと変容し、現在の形になった。
食べ方
もち米とうるち米を混ぜて洗い、5〜6時間水に浸した後ざるに上げ、蒸し器で蒸す。湯気が立つ間に大豆を煎り、ボウルに移して熱湯を注ぎ柔らかくする。米に湯気が立ったら煎った大豆を上に載せて蒸し続け、九分炊きになったら味見をして豆を浸した塩水を打ち水として回しかける。豆を硬めにしたい場合はこの時点で再度載せて軽く蒸す。仕上げに煎ったごまを混ぜて食べる。立夏の「水口祭り」で振る舞われるのが一般的であった。
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産地
山梨県の名物

吉田のうどん
富士吉田の織物工場で生まれた、驚くほどの歯ごたえと強いコシが特徴の極太うどん。機械を止めず昼食を済ませる女性職人のために、行商の男性が力強く練り上げたのが始まりと伝わる。

夕顔のみそ汁
夕方に花を咲かせることから名付けられた夕顔は、富士北麓の夏を彩る伝統的な野菜。朝顔とは別種で、ひょうたんのような細長いナガユウガオが用いられ、味噌汁にするとトロンとした独特の食感が楽しめる。

うすやき
山梨の粉文化が生んだ薄焼きのおやつ。ちりめんじゃこや青じそを混ぜて焼く定番のほか、あんこや煮豆を包む甘い版もあり、農作業の合間に手軽に食べられてきた。

うらじろまんじゅう
葉の裏が白く見えるオヤマボクチから名付けられた山梨の郷土菓子。ヨモギ餅のような食感でありながら、草臭さがほとんどなく食べやすいのが特徴である。

月の雫
ぶどう一粒一粒に蜜を纏わせた甲州の伝統菓子。江戸時代、煮詰めていた砂糖に偶然落ちたぶどうが起源とされ、ガイドブックにも掲載されるほどの銘菓として親しまれてきた。

鳥もつ煮
捨てられていた鳥の内臓が、貴重な醤油と砂糖で生まれ変わった戦後のソウルフード。強火短時間の照り煮で旨味を閉じ込める独特の技法が、甲府市民に長く愛され続けている。