
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
聖護院かぶを薄く切り、昆布と唐辛子とともに酢漬けにした繊細な漬物である。乳酸発酵をさせず、長期保存を目的としない「食べるための漬物」として、上品な酸味と柔らかな食感が特徴である。主な産地は亀岡市篠町で、国内最大級の聖護院かぶが京の伝統野菜として栽培されている。11月ごろの収穫期から仕込まれ、老舗の漬物業者では大樽を用いた大量仕込みの光景が冬の風物詩となっている。家庭でも作られ、からすみやスモークサーモンをはさむなど現代のアレンジも生まれている。
由来・歴史
江戸時代、御所の料理人・大藤藤三郎が考案したとされる。藤三郎は後に漬物商に転身し、「千枚漬け」を販売して評判を博した。明治23年(1890年)の全国博覧会では全国名物番付けに入選。使う聖護院かぶは、享保年間に滋賀県大津市の近江かぶの種子を左京区聖護院の農家が持ち帰り栽培を始めたもので、千枚漬けの普及とともに亀岡市篠町で生産が盛んとなった。現在は「京もの伝統食品」に指定されている。
食べ方
聖護院かぶを薄く切り、昆布と唐辛子とともに酢漬けにする。乳酸発酵させないため、従来の漬物とは異なり長期保存を目的とせず、そのまま食べるのが基本である。11月ごろの聖護院かぶの収穫期から作られ、老舗の漬物業者では大樽を用いた仕込み作業を公開し、冬の京都の風物詩となっている。からすみやスモークサーモンをはさんだアレンジレシピもある。
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産地
漬物の名物

仙台白菜の漬物
日清・日露戦争の凱旋時に中国から持ち帰った種が起源。塩害に強い特性から東日本大震災後に復活した「仙台白菜」は、漬けるほど味が深まり長持ちする特異な性質を持つ。
ふるさと納税千切り大根(切り干し大根)のまだか漬け
「まだかぁ~」と待ちきれず声が上がるほどの美味しさが名前の由来。宮崎県産の千切り大根を使った、体に良い具材が詰まった健康的な漬物である。
ふるさと納税瀬高の高菜漬け
1メートルを超える背丈が名前の由来。明治に中国由来の青菜と在来種を掛け合わせ誕生した「三池高菜」は、筑後の豊かな水と土が育む栄養豊富な保存食である。

青菜漬
明治37年に中国・重慶から渡来した山形青菜を使った漬物。シャキシャキの歯ざわりと独特の辛味が白米を何杯でも進ませ、庄内では「弁慶めし」という郷土料理にも欠かせない。

せぐろいわしのごま漬け
「背黒」と呼ばれるカタクチイワシを、炒りごまと唐辛子で漬け込んだ千葉・九十九里浜の保存食。大量に水揚げされる旬のイワシを、日持ちさせる知恵が生んだごまの香り豊かな郷土料理である。

鮭の焼漬け
「鮭の腹は切らぬ」——三面川のサケ文化が生んだ知恵の保存食。焼いた鮭を醤油だれに漬け、冷めてもふんわりとした食感が特徴である。
京都府の名物
ふるさと納税しば漬け
高倉帝の皇后・建礼門院が「紫葉漬け」と名付けたと伝わる、京都を代表する赤しそ漬け。大原の名刹・三千院発祥の「京都三大漬物」である。

白味噌の雑煮
平安時代から貴族の間で食された白味噌を使い、丸餅や頭芋、金時人参を入れた京都の正月の風物詩。円満や子孫繁栄を願う縁起物の具材が特徴である。

すぐき漬け
京都三大漬物の一つに数えられる「すぐき漬け」は、かつて上賀茂神社の社家のみが作る御所献上の高級品だった。独特の酸味と乳酸発酵による風味が、冬の食卓を彩る。

山椒の葉の佃煮
山椒の葉をちりめんじゃこと佃煮にした京都の保存食。緑色を鮮やかに保つ湯通しの技と、ごはんから麺まで幅広く使える万能性が魅力である。

さばずし
江戸時代に鯖街道の塩漬けサバから生まれた「さばずし」は、京都の祭りに欠かせないハレの日の味。酢でしめた塩サバとすし飯の組み合わせが、庶民に貴重な青魚をもたらした。

おはぎ
「おはぎ」と「ぼたもち」の呼び名は、春の牡丹・秋の萩に見立てた季節の花に由来する。京都の丹波大納言小豆は煮くずれしにくく、切腹の風習がない大納言の位にちなんで名付けられたブランド小豆である。