
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
さばずしは、塩漬けにしたサバを酢でしめてすし飯と合わせた押し寿司である。サバの塩味と酢の酸味、すし飯の甘みが調和し、竹の皮に包んで重しをかけた独特の形状が特徴だ。主な伝承地域は京都府で、若狭湾(小浜)から都へサバを運ぶ「鯖街道」の終着点として、内陸部への魚介流通の拠点となった歴史を持つ。葵祭・祇園祭・時代祭など京都の三大祭をはじめ、府内各地の秋祭りといったハレの日のごちそうとして食べられてきた。家庭によってはサバとすし飯の間にガリを挟むアレンジがあり、醤油をつけて食べることもある。冷蔵技術の発達後も祭りの定番料理として現代に受け継がれている。
由来・歴史
若狭湾でよく獲れるサバは、鮮度が落ちやすいため保存の工夫が求められた。鯖街道で都へ運ぶ際、塩漬けや酢漬け、焼くことが保存手段となり、2〜3日の運搬でちょうど良い塩加減になったサバが使われた。江戸時代にこの塩漬けサバを酢でしめてすし飯と合わせた「さばずし」が誕生し、庶民が貴重な青魚を楽しむ文化が生まれた。へしこなど他の保存食とともに、鯖街道周辺の郷土料理として定着した。
食べ方
塩サバを3枚におろし血合いを除き、酢水で洗った後、サバがかぶる程度の酢に30分強漬ける。身側を上にして棒状のすし飯をのせ、巻きすで押さえて形を整え、竹の皮に包んで軽く重しをかける。翌日味が馴染んだら食べ頃となり、無地でも醤油をつけても良い。京都の三大祭や秋祭りなど、ハレの日のごちそうとして供される。
このお祭りで食べられています
京都三大祭のハレの日のごちそう。お祭りの日程や見どころは「わっしょい」で。
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産地
寿司の名物

魚ずし
江戸時代、天領地・門川町に赴任する役人が待ち望んだという「魚ずし」。宮崎県沿岸部に伝わる姿ずしは、四国から渡った人々がもたらしたとされ、今も祭りで即完売する人気の一品である。

鮭の飯ずし
紅白の縁起物として正月に欠かせない津軽の保存食。もち米の発酵力で塩サケを熟成させ、笹の葉の香りと乳酸の酸味が織りなす芳醇な味わいが特徴。

酒ずし
島津藩主の花見の残りごちそうが発酵して生まれた、鹿児島の押しずし。地酒「灰持酒」に漬けた米と山海の幸を重ね、半日寝かせる贅沢な春の味。

さばの姿ずし
背開きのサバに酢飯をぎっしり詰め、頭と尾を立てて豪快に盛り付ける「皿鉢料理」の定番。京都とは対照的に酢と塩をきかせた味わいが、ゴマサバの脂の少なさを引き立てる。

鯖の棒ずし
「鯖街道」の名残を今に伝える棒状の押し寿司。大津や長浜の曳山祭りのご馳走として欠かせず、寒い季節に味わう伝統の味である。

押しずし
「おけらずし」という愛称も持つ、金沢の祭りを彩る押しずし。木枠に酢飯と旬の魚を重ね一晩寝かせることで、互いの旨味が調和する。春はタイやアジ、秋はサバやシイラと季節ごとに魚が変わるのも特徴である。
京都府の名物

山椒の葉の佃煮
山椒の葉をちりめんじゃこと佃煮にした京都の保存食。緑色を鮮やかに保つ湯通しの技と、ごはんから麺まで幅広く使える万能性が魅力である。
ふるさと納税千枚漬け
御所の料理人が考案した「京都三大漬物」の一つ。聖護院かぶを薄く千枚に切った繊細な酢漬けで、長期保存を目的としない、まさに「食べるための漬物」である。
ふるさと納税しば漬け
高倉帝の皇后・建礼門院が「紫葉漬け」と名付けたと伝わる、京都を代表する赤しそ漬け。大原の名刹・三千院発祥の「京都三大漬物」である。

おはぎ
「おはぎ」と「ぼたもち」の呼び名は、春の牡丹・秋の萩に見立てた季節の花に由来する。京都の丹波大納言小豆は煮くずれしにくく、切腹の風習がない大納言の位にちなんで名付けられたブランド小豆である。

にしん茄子/茄子とにしんの炊いたん
京料理の「であいもん」が生んだ絶妙な組み合わせ。脂がよく染み込む山科なすや賀茂なすに、北前船が運んだ身欠きニシンのコクが絡む夏から秋の滋味。

肉豆腐
771年に伏見稲荷神社建立の際、秦伊呂具が浪速から取り寄せたねぎが「九条ねぎ」の発祥とされる。霜にあたると甘みが増すこの葉ねぎを、牛肉と豆腐のすき焼き風鍋に入れた冬の定番料理である。