
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
パパイヤ漬けは、未熟な青パパイヤを塩で下漬けした後、味噌・醤油・粕などで漬け込む漬物である。塩気と発酵のうまみが特徴で、薄切りにして食べる。主に鹿児島県奄美地域で作られ、年間温暖な亜熱帯性気候とパパイヤの強い繁殖力が背景にある。夏から秋の収穫期に多く作られるが、保存食として長期間楽しめる。鶏飯の薬味やお茶うけ、酒の肴として食べられ、家庭ごとに味噌漬け・醤油漬け・粕漬けなどの違いがある。現代ではごはんのおともやおにぎりの具としても親しまれている。
由来・歴史
奄美地域へのパパイヤの伝来は第二次世界大戦後、奄美群島がアメリカ統治下にあった際に沖縄から持ち込まれたものとされる。パパイヤは温暖な気候と強い繁殖力で簡単に栽培でき、戦後の食糧難の時代を支える重要な食料となった。そうした背景から、パパイヤを美味しく長く保存する工夫としてパパイヤ漬けが誕生した。奄美や沖縄では青い未熟果を野菜として使うことが多く、皮が黄色く熟したものを果物として食べることもある。
食べ方
青パパイヤを縦半分に切り皮と種を取り、塩をまぶして2〜3日下漬けする。その後水気を切り、味噌と砂糖を混ぜたものと交互に重ねて10日間ほど漬け込む。醤油漬けや粕漬けもある。食べる際は薄切りにし、ごはんのおとも、お茶漬け、おにぎりの具、酒の肴として食べられる。夏から秋の収穫期に作られ、保存食として長期間楽しめる。
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産地
漬物の名物

らっきょう漬け
参勤交代で小石川薬園から持ち帰ったらっきょうが、鳥取砂丘の特産品へと育った。塩漬けと味付けの二刀流で、今や砂丘観光の定番土産となっている。

魚の漬物(塩辛)
「サイラのしょから」という呼称が残る三重県の魚の塩辛。冷蔵庫のない時代、熊野灘で大量に水揚げされた鮮魚を一匹丸ごと甕に漬け込み、透き通るような赤い身を春に味わう保存食である。

鮭の焼漬け
「鮭の腹は切らぬ」——三面川のサケ文化が生んだ知恵の保存食。焼いた鮭を醤油だれに漬け、冷めてもふんわりとした食感が特徴である。

近江牛の味噌漬
江戸時代に彦根藩が将軍家へ献上した「反本丸」が原型。薬用として始まった近江牛の味噌漬は、国内最古のブランド牛を白味噌に漬け込む贅沢な郷土料理へと発展した。

おみ漬
「おみ漬」は「近江漬」が転化した名前という説もある、山形県の刻み漬物。山形青菜の葉先など余った部分を使い切る知恵が生んだ、ごはんのお供に欠かせない常備菜である。

野沢菜漬
霜に当たると甘く柔らかくなるという野沢菜の特性を活かし、宝暦6年に野沢温泉村の住職が京都から持ち帰った天王寺かぶが突然変異して生まれた県を代表する漬物。高冷地の厳しい冬を越す知恵が詰まった味である。
鹿児島県の名物

酒ずし
島津藩主の花見の残りごちそうが発酵して生まれた、鹿児島の押しずし。地酒「灰持酒」に漬けた米と山海の幸を重ね、半日寝かせる贅沢な春の味。

三献
西郷隆盛が愛加那との祝言で振る舞った正月の儀式食。赤椀・刺身・黒椀の三膳を焼酎とともに献じ、家長の掛け声で始まる奄美ならではの年始行事である。

さつまえび雑煮
椀からはみ出るほどの大きな焼きエビが豪快に載る正月の雑煮。薩摩藩主・島津家に献上されていた出水沖の焼きエビが、庶民の祝い膳へと広まった歴史を持つ。

ミズイカのマダ汁
イカの墨袋「マダ」を味噌汁に入れる奄美地域ならではの食文化。古くから血圧を下げる薬として重宝され、まろやかな甘みとコクが特徴の郷土料理である。

みき
「神酒」と書く奄美の発酵飲料は、口噛み酒がルーツという意外な歴史を持つ。米とさつまいも、砂糖を発酵させた甘酸っぱい味わいで、夏の栄養補給に重宝される。

黒糖
江戸時代、奄美群島の島民は年貢を黒糖で代納させられ「黒糖地獄」と呼ばれる過酷な時代を経験した。カラメルのような深いコクと風味を持つ、鹿児島を代表する甘味料である。